2022年3月17日、テラドローンは、日本ゼオン水島工場にてドローンを用いた球体タンク板厚の超音波厚さ検査の実証実験を行ったことを発表した。

 超音波厚さ計測は材料厚みの計測に優れた非破壊検査で、今回の実証実験では超音波計測機を搭載したドローンを用い、タンク内部から超音波による厚さ検査を実施した。

検査前の校正
ドローン本体

 タンクの板厚検査は法律で義務づけられており、日本ゼオンでは定期検査を実施している。従来の人による検査方式では足場を組む必要があり、期間中は代替タンクを手当しなければならないため時間・金銭コストの負担が大きく、また検査員の落下事故などの危険性があった。

 球体タンクの定期検査で超音波計測ドローンの活用が一般的になれば、足場の仮設が不要となり、コストカットおよび大幅な検査期間の短縮が図れるという。検査時の安全性も高まり、労働衛生環境の向上にもつながる。

 日本では高度成長期に建設した橋梁やダム等が修繕期を迎えている。同社は、製鉄所の煙突や発電所等の高所・閉塞空間での作業にドローン技術を活用することで、今後需要が高まるインフラ整備・修繕にかかるコストカットや点検作業の安全性の向上に貢献していくとしている。

計測中のドローン