2022年4月21日、豊田通商は、グループ会社「そらいいな株式会社」を設立し、長崎県五島列島で医療用医薬品のドローン配送事業を開始することを発表した。同日、そらいいなの発着拠点が五島市福江島に完成し、竣工式を行った。

 同事業では、豊田通商の協業先である米国・Zipline International Inc.(以下、ジップライン社)の技術・機体(固定翼)を用いる。同社が自社以外の企業に技術提供するのは、今回が初めてのケースだという。

 豊田通商は、2018年6月にドローン物流領域における協業推進を目的としてジップライン社に出資して以降、ガーナでの協業などを推進。2021年3月には、日本市場でのドローン物流サービスの社会実装を目的とした戦略業務提携を締結し、具体的な取り組みを検討してきた。

 そらいいなは、五島市に拠点を置く医薬品卸会社3社と長期の実証契約を締結し、五島列島の医療機関・薬局へ医療用医薬品を配送する。配送地域は、奈留島への定期運航から開始し、福江島西部、市内各島、新上五島町などへ徐々に配送先を増やす予定だという。
 今後、無人地帯における目視外飛行(レベル3飛行)でのオペレーション実績を積み、将来的には有人地帯上空での目視外飛行(レベル4飛行)を目指すとしている。

 なお同事業は、環境優良車普及機構による「令和2年度 社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業のうち 過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業」に採択されており、五島市の「スマートアイランド」への取り組みの一環として、同市、そらいいな、豊田通商が共同で事業を行う。

「そらいいな」の物流網構想(開設済:赤線、計画:黒線)
ドローン配送事業のイメージ動画(Sora-iina/そらいいな YouTubeチャンネル)

※実証実験の詳細は、別途レポートする予定です。