2022年4月19日、肢体不自由者向け入力機器の企画、開発、販売を行うテクノツールは、シアン、筋ジストロフィー患者の梶山紘平氏と合同で、電動車いす上から、右頬に設置したスイッチと視線入力による操縦で200g以上のドローンを飛行させることに成功したと発表した。ドローンのなかでも200g以上の機体は無人航空機に該当し、航空法が適用される(2022年4月19日現在)。

 「ドローン アクセシビリティ プロジェクト」では、寝たきりの状態にある重度肢体不自由を抱える梶山氏が操縦することで、ドローンの新たな可能性を発信している。将来的には重度肢体不自由者が一人ひとりに適した方法で安全にドローンを飛ばして楽しむことや、インフラ点検や配達といった業務に従事できるようにすることを目的としており、2024年の事業化を目指す。

 同プロジェクトでは、2022年5月19日にメディアおよびドローンメーカー関係者を対象とした公開テストフライトを開催する。
 テストフライトで使用する視線入力機器でのドローン飛行は、機体を係留して安全対策を施し実施する。テクノツールの入力支援技術を用いて、梶山氏がわずかに動かせる頬や目(眼球運動)を使って200g以上の機体を飛行させる。現場の安全管理や運用は、ドローンによるバーチャルツアー等を運用するシアンが担当する。
 テストフライト後には3名の車いすユーザーを含む関係者によるインタビューセッションにおいて、プロジェクトの目的や今後の展望について説明を行う。