2022年4月1日、東海旅客鉄道(以下、JR東海)とアイ・ロボティクスは、これまで取り組んできた「小型ドローンを用いた主に狭隘部(主に建物内吊り天井部分)調査点検」の内容を論文としてまとめ、土木学会へ寄稿したことを発表した。両社は2021年より駅構内の天井裏調査点検について、小型ドローン活用の有用性確認を行ってきた。

 JR東海では主に目視で土木構造物調査を行っているが、建物の老朽化や安全性確保の観点から、これまで調査することがなかった箇所も対象とする必要が出てきた。しかし、調査対象が狭い空間に位置している場合、そこに到達することが難しく、調査に労力を要することが課題であった。
 この課題に対し、アイ・ロボティクスの小型ドローンを用いた狭隘部・高所調査点検ソリューションの導入を進めている。

 論文では新大阪駅構内の吊り天井内部にある鉄桁の沓を対象として、目視点検と同程度に健全度を把握できるか検討し、有用性が認められたため、その結果をまとめている。

 両社は、この取り組みにより得た今後の本格導入に向けた課題や、現場作業の課題解決に向けて継続的に取り組みを進めるとしている。

論文の概略

題名 :狭隘箇所における小型ドローンを活用した構造物調査の試行
背景と目的 :狭隘かつ暗所になる箇所の調査業務の効率化
検証概要 :新大阪駅構内吊り天井内部の鉄桁、沓の健全度把握が目視点検同等の基準に達するか
検証結果 :狭隘な箇所における構造物調査に小型ドローンを活用の有用性を確認