テラドローンは、三井物産による取りまとめの下、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)、朝日航洋とコンソーシアムを結成し、大阪府の「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」に2021年8月に採択された。

 これ基づき2022年2月、大阪府内において、将来的な都市部での空飛ぶクルマを活用した輸送サービスの提供を見据え、空飛ぶクルマやヘリコプター、ドローンなどの多種多様な機体が混在する状態でも、安全で効率的な飛行を実現するための運航管理に必要な機能等の実証実験を実施した。

空域統制所におけるエアモビリティ統合運航管理プラットフォームの利用状況

 同実証では、JAXAが企業と連携して検討を進めている「多種・多様運航統合技術」および、その基盤技術である「災害救援航空機情報共有ネットワーク技術(D-NET)」をベースに、多種多様なエアモビリティ間で安全かつ協調的にデータ連携が行える「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム」に必要な技術の検証を行った。

 具体的には、大阪・関西万博の開催期間中の警備・警戒中に、平時と有事が切り替わるシナリオを想定し、大阪府の咲州庁舎に空域統制所を開設。ヘリコプターやドローン用途の運航管理システムを活用して、①多種多様なエアモビリティの飛行計画の共有および飛行申請の承認機能、②位置情報のリアルタイム共有機能、③退避要求機能 などを用いて、多種多様なエアモビリティの運航状況をリアルタイムに把握し、安全な運航を支える管理を行うための技術と運用に関する検証を行い、その有用性を確認した。

エアモビリティ統合運航管理プラットフォームの概念

 テラドローンは同実証実験を足掛かりに、平時の輸送サービスだけでなく、有事(災害対応や警備、警戒現場)での活用が見込まれるドローンや空飛ぶクルマ等、多種多様なエアモビリティが同一の空域でも協調して安全に活動するための「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム」の整備に取り組むとしている。

空域統制所:エアモビリティ統合運航管理システム

D-NETと直接連携した多種多様な機体の監視例
D-NETの多種多様な機体の監視例

使用機材(夢洲)

ヘリコプター:AS350 B3

実機飛行現場の様子(夢洲)

夢洲で多種多様な機体が飛行する様子

警備・警戒ドローンの監視状況(夢洲)

警備警戒ドローン撮影画像