インプレスは、新産業調査レポート『ドローンビジネス調査報告書2022』(https://research.impress.co.jp/drone2022)を、2022年3月24日に発売する。

 同書はドローン関連ビジネスを展開する企業やキーマンなど50社以上の取材を基に、市場動向、ビジネス動向、行政、法律や規制、課題、展望などドローン市場を多角的に分析したもので、国内のドローンビジネスの成功戦略を立てるための情報が網羅された1冊となっている。

調査結果

 2021年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は2,308億円と推測され、2020年度の1,841億円から467億円増加。前年度比は25.4%増となる。2022年度には前年度比34.3%増の3,099億円に拡大し、2027年度には7,933億円に達すると見込まれる。これは年間平均成長率(2021年度~2027年度)に換算すると、年22.8%増加することになる。

 分野別に見ると、2021年度はサービス市場が前年度比38.5%増の1,147億円となり、最も大きい市場である。また、機体市場は前年度比14.1%増の693億円、周辺サービス市場は前年度比15.6%増の468億円となる。各市場とも今後も拡大が見込まれており、2027年度においては、サービス市場が5,147億円(2021年度~2027年度の年間平均成長率28.4%増)と最も成長し、機体市場が1,788億円(同年間平均成長率17.1%増)、周辺サービス市場が998億円(同年間平均成長率13.5%増)に達する見込みだ。サービス市場の中の物流分野においては昨年度の推計より成長が遅れているが、その他の市場や分野は昨年度の見込み通りの成長が見られる。

 機体市場は、国内および海外メーカーから、農薬散布、点検、物流、測量など用途に合わせた様々な産業用機体が販売されている。機体メーカーは2021年度も各産業分野のニーズに合わせた機体を相次いで投入しており、市場が堅調に拡大するとともに、社会課題の解決に向けたドローンの利用が促進されるとみられる。また公共機関やインフラの点検用途などの分野を中心に機体の国産志向が強まっており、国内メーカーにも注目が集まっている。

 サービス市場は、2020年度に引き続き日本の経済は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延によりさまざまな形で影響が出ているが、ドローンの社会実装は着実に進んでいる。特にレベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)を実現する「航空法等の一部を改正する法律」が2022年度中に施行されることを契機にして、様々な産業分野でドローンの実用化や商用化が促進され、サービス市場は2022年度以降に拡大していくとみられる。

 点検分野は2021年度には太陽光パネルや鉄塔、屋根などの点検は商用化、実用化に至っており、プラントをはじめとした生産設備や大規模建造物などの点検においても、実証段階から一部商用サービスが始まる段階にある。農林水産業では2020年から加速している農薬散布がさらに伸びを見せているほか、山林調査などでも活用が広がっている。さらに、災害対応や巡回・警備といった分野でもドローンの利用が広がっており、特に近年ますます増えている大規模災害の調査でドローンの利用が拡大している。

 一方、物流分野は2021年度には従来の中山間地、離島といった環境に加えて、都市部での実証実験が増加した。しかしながら事業の採算性や運用体制の構築などの課題もあり、実用化は一部のサービスのみに留まっており、市場の拡大は昨年度の予想よりも遅れている。

 またレベル4実現を見据えて、2021年度はモバイル通信の上空利用が大きく進んでいる。通信事業者が、携帯電話サービスの料金プランと同じように、ドローン向けの利用プランの提供を開始した。LTE通信を活用した遠隔自律飛行するドローンによる、物流やインフラ点検、広域の監視、災害時の監視といった利用が広がると見られる。また、これに応えるようにドローンメーカーもモバイル通信で遠隔制御ができるドローンの提供を始めている。

 周辺サービス市場では、ドローンの産業利用が進むにつれて、バッテリー等の消耗品や定期的なメンテナンス、業務環境に即した保険のバリエーションの増加などにより機体市場の拡大に合わせて引き続き成長していくと予想される。また今後導入されるドローン操縦ライセンスに伴い、スクール事業の動きが活発になるとみられる。そのほか、各ユーザー企業における運用管理やソフトウエア開発などのドローンに特化した人材の要求が高まっており、人材サービス市場の拡大も予想される。

構成・各章の概要

第1章「ドローンビジネス市場分析」
 ドローンビジネスの市場規模やロードマップと今後の展望、産業構造やプレイヤー整理、事業レイヤーごとの動向と分析、市場全体の最新動向、法律や規制など、ドローン市場を知るうえで必要な情報を網羅的にまとめている。

第2章「産業分野別のドローンビジネスの現状と課題」
 農業、土木・建築、点検、搬送・物流、公共など15分野合計39の産業・業務用途ごとにドローンを活用したビジネスの現状とロードマップ、課題(分野特有の課題、技術課題、社会的課題など)、今後の可能性などを分析している。

第3章「各省庁の動向」
 今後のドローンビジネス市場を展望するうえで重要な、国土交通省、経済産業省、総務省、農林水産省、内閣府の動向をまとめている。特に2021年度はレベル4に向けて制度面の整備が大きく動き出した一年となった。操縦ライセンスや機体認証など新しい航空法をはじめ行政が進めるドローンに関する環境整備を詳細に解説している。

第4章「企業動向」
 今後のドローンビジネス市場のカギを握る企業を「ハードウエア」「サービス・ソリューション提供」「業界団体」などに分類し、46社・団体の動向をまとめている。

ドローンビジネス調査報告書2022

書名 :ドローンビジネス調査報告書2022
著者 :春原久徳、青山祐介、インプレス総合研究所
発行所 :株式会社インプレス
発売日 :2022年3月24日(木)
価格 :CD(PDF)版、ダウンロード版 13万2,000円(本体 12万円+税10%)、CD(PDF)+冊子版 12万1,000円(本体 11万円+税10%)
判型 :A4判 モノクロ
ページ数 :692ページ

▼ドローンビジネス調査報告書2022の詳細・予約
https://research.impress.co.jp/drone2022