京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)は、千葉市幕張新都心の公道(車道)において、無人自動走行ロボットを活用し、店舗で購入した商品を指定マンションまでロボットが配送するサービスの実証実験を3月10日から開始する。

 同実証実験は、国家戦略特区に指定されている千葉市の支援を受けて、イオンスタイル幕張ベイパークの協力のもと実施。近隣マンションの住民が同店舗で購入した商品を、共用ロッカーを搭載した定時巡回するロボットに積み込みマンションまで届ける。重量物やかさばる荷物の持ち帰りを支援するロボット活用サービスを実証し、外出や買い物をより楽しんでもらうことを目指す。

 平日の10時~17時(予定)、1台の無人自動走行ロボットが、イオンスタイル幕張ベイパークと近隣の2棟のマンション間を巡回する。事前登録したモニター参加者(マンション住人)は、同店舗で購入した商品を店舗脇の停止場所でロボットに預け、自宅マンション近くの停止場所で受け取る。ロボットに備えられた大・中・小のロッカーはタッチパネルを操作して開閉を行う。

実証実験のイメージ
走行予定エリア(千葉県千葉市美浜区若葉3丁目および、ひび野1丁目の一部区画)

 無人自動走行ロボットは、ミニカー(長さ2.5m以下×幅1.3m以下×高さ2.0m以下)に準じた大きさで、最高速度は15km/h。無人で自動走行するが、走行状況を常時遠隔監視し、自動回避が困難な状況等では近接または遠隔操作に切り替える。
 左側面にはロッカー大が5個、右側面にはロッカー中5個、小10個を備える。ロッカーの大きさは幅30.5cm、奥行45cmは共通で、高さがそれぞれ 大50cm、中18.5cm、小12.5cmとなる。

無人自動走行ロボットの左側面(ロッカー大5個)、ロッカー大
無人自動走行ロボットの右側面(ロッカー中5個、小10個)、ロッカー中
ロッカー小
各社の役割

 近年、人手不足が深刻化するラストワンマイル配送の課題解決や配送の効率化を実現する手段として、無人自動走行ロボット活用の期待が高まっている。KCCSグループでは、ICT技術と情報通信基盤整備などのノウハウを活かし、新しい時代に対応したモビリティサービスの開発を通じて、地域社会へ貢献することを目指している。

 無人自動走行ロボットを活用したサービスは、今回実証する店舗で購入した商品の配送サービスに限らず、移動販売や巡回警備などニーズは多岐にわたる。同社は今後も自治体や協力企業と連携し、各地域のニーズや課題に即したサービスの実証を行い、無人自動走行ロボットの社会実装に向けて継続的に取り組むとしている。