2022年3月29日、伊藤忠商事は、ITOCHU Europe PLCを通じて、ドローンの開発・製造企業であるドイツのWingcopter GmbH(以下、Wingcopter社)へ出資し、資本業務提携と販売代理店契約を締結したことを発表した。

 Wingcopter社は、ドローン事業を通して世界中の国や地域の生活を向上させることを企業理念として、2017年に設立。以来、医療品分野を中心に、アフリカでの医療品配送ネットワークの構築、日本を含む世界各地での実証実験を通して、ドローン物流の事業化を目指している。今後、同社が開発中のドローン「Wingcopter198(W198)」の、安定した高速・長距離飛行の特長を活かし、医療品に加え、食料品や日用品等の配送事業化を進めるとしている。W198は自社で製造・開発するティルトローター機構を備え、固定翼機でありながらマルチコプターのような自律垂直離発着・ホバリング機能を持つ。一度の飛行で3カ所に配送可能なトリプルドロップ機能を有している。

 日本では、政府が2022年度中の実現を目指す有人地帯における目視外飛行(レベル4)の解禁に伴うドローンの活用領域の拡大に伴い、物流手段の一つとしてドローンに対する期待が高まっている。

 伊藤忠商事は、今回のWingcopter社との資本業務提携・販売代理店契約を通じて、ティルトローター式ドローンW198の拡販、ドローン配送ネットワークの構築を進め、多様なニーズ・社会課題に対応したサービス提供を目指すとしている。

Wingcopter社のティルトローター式ドローン「W198」(Wingcopterより)