2021年11月26日、湘南ベルマーレはトップチームの戦術分析を目的に、トレーニングや紅白戦・練習試合においてドローンを導入することを発表した。

 オフィシャルクラブパートナーであるドローン・フロンティアのサポートを受けてクラブスタッフのドローン技能講習を行い、既にドローンによる空撮、ミーティングでの映像の本格活用を始めている。

 Jリーグのクラブでの練習におけるドローンの導入例はまだ多くないが、ヨーロッパを中心とした海外有力クラブでは既に多く取り入れているという。湘南ベルマーレでも今後ドローンに搭載された4Kカメラで上空から撮影した映像を使い、さらなるチーム強化にあたるとしている。

 同チームでは、2021年7月に行ったトップチームのキャンプにおいても、ドローンで撮影した映像をチーム公式YouTubeチャンネルで配信し、好評を得たという。今後、チーム強化、プロモーションにおいてドローンの活用の幅を広げていく予定である。

関係者のコメント

  山口智監督

 俯瞰して上から見れるので全体が非常に見やすくなったことは感じます。ボール状況だけでなく逆サイドであったり一番遠いところも含め、距離感の確認が取りやすくなりました。全体を通して状況が見れるということは有難いです。

 試合ではベンチから平面で見ることになるので、平面の視点も大事にしていますが、自分が見えているものと、実際に上からの映像を確認することでギャップの確認もできます。

 選手の立場としては、このスペースが空いているとかこの距離感ならボールを通せる、通されるということがシンプルに分かりやすいと思います。僕の中でも答え合わせをしやすいということがあります。

  白石通史コーチ

 今まで細かく見えなかった部分が非常に細かく見れるようになったので、より選手に分かりやすく伝えることができるということが大きな変化です。

 これまでは、どうしても5mくらいの高さでしか見れなかったんですけど、スタジアムの上から見ているような感覚でトレーニングを見れるようなりました。そういう映像をもとに選手の動きを確認することによって、より分かりやすく伝えられるようになったと思います。

 夏のキャンプでドローンフロンティアさんが撮影のためにドローンを飛ばした映像を見た時に、「これは分析にすぐ使いたい」と思いました。非常に効果が出ているなと思います。

 操作自体は、もっと難しいものなのかと思っていたのですが、すごく簡単で、導入もスムーズでした。もっと早くやれればよかったと思います。電池もすぐに変えられますし、使いやすいということもポイントです。

 ドローンの映像をもとに、監督がやりたいことを分かりやすく選手に伝えられますし、選手も自分のプレーが分かりやすく振り返ることができるのでメリットは大きいです。それがチームの結果や選手の成長に繋がっていくと思っています。僕自身も、もっともっといいものを作れるように頑張ります。

  岡本拓也選手

 練習時のドローンの映像を使ったミーティングは、想像以上に画質もよくすごく画期的だと思いました。

 全体の動きが一発で分かりますし、よりどう動くべきかとかどういうポジショニングに立つべきかということは非常に整理されるので、選手にとってはすごく有難いと思います。

 ただ本当に、映像を見たら一発なので、選手が言い訳できない環境になってきているなと思います。ごまかしはきかないですね(笑)。

 練習後、すぐに映像も出してもらえますし普段の練習が見れることは自分たちにとって大きな武器になると思います。