2021年11月25日、センシンロボティクスとACSLは、センシンロボティクスの業務自動化統合プラットフォーム「SENSYN CORE」とACSLの国産ドローン「Mini」を活用した屋内自律飛行システムを共同開発したことを発表した。

 SENSYN CORE上で3Dモデル(設計図面、立面図)を用いてマップを作成し、Visual SLAM等で自己位置測位を行うMiniを用いて自動飛行を行う。指定ルートに沿ってドローンを飛行させ、取得データのアップロード、管理、見える化まで一連の流れを自動化することで、工場・プラント内、建設現場などの無人建屋設備の点検・巡視業務など、これまで人が行っていた作業を効率化する。

 ドローンは通常GPS等の衛星測位システムを使い自律飛行を行うが、屋内や地下室、トンネル内部、橋梁の下、タンク内部などでは衛星電波の受信が難しくなる。また、非GPS環境において自己位置測位が可能な機体を用いた場合でも、機体自己位置とマップ上の機体位置を合わせ、直感的なルート設定ができないことが課題であった。

 今回開発した屋内自律飛行システムでは、3Dモデルを配置した地図上でルート設定や機体の自己位置表示が可能となり、ユーザビリティが向上。これまで実験的な側面が強かった屋内(非GPS環境)飛行を実用レベルに押し上げるもので、工場内の大型装置点検、物流倉庫の棚卸し、大型商業施設警備、建設中の物件の進捗管理などへ活用することで、これらの業務のリモート化が期待される。

SENSYN CORE上での3Dマップ。この画面を見ながら直感的に飛行経路の作成が可能。
屋内自律飛行システムに使用するドローン「Mini」