2020年4月23日、センシンロボティクスと自律制御システム研究所(以下ACSL)は、BtoB向けドローンソリューション構築とその社会実装に向け、連携を開始したことを発表した。今回の業務提携により、エンドユーザーの業務課題に対して、用途別に特化されたドローン機体やソフトウェアシステムを含むソリューションの構築、効果検証の実証実験、そして実オペレーションへの導入、導入後のアフターサポートといった、ドローン利活用の全フェーズをシームレスに提供することが可能となる。

 その第一歩として、ACSLの産業用ドローンと、センシンロボティクスが提供する自動航行プラットフォーム「SENSYN FLIGHT CORE」への接続開発が完了、ソリューションの提供を開始する。物流分野では、棚卸業務など屋内点検業務の完全自動化、屋外におけるドローン物流の完全自動化への取り組みが可能になる。また点検分野では、遠隔監視、遠隔管理による定期点検が可能になる。

ACSLの国産小型産業用ドローン「Mini」
センシンロボティクスの自動航行プラットフォーム「SENSYN FLIGHT CORE」

 センシンロボティクスは、「SENSYN FLIGHT CORE」を中心に、ドローンを始めとするロボティクス技術のビジネス活用にあたって必要な業務を自動化させるサービスを提供している。特に、電力、鉄鋼、石油、鉄道、建設など、産業インフラ分野での設備点検、災害の被害状況把握などの防災・減災対応、警備や監視といった領域に強みを持っている。送電鉄塔やプラント施設、大型施設屋根など産業インフラ分野でのドローンを活用した設備点検、災害の被害状況把握などの防災・減災対応、警備や監視でのサービス提供実績がある。

 ACSLは、産業分野における既存業務の省人化・無人化を実現すべく、国産の産業用ドローンの開発を進めている。特に、画像処理・AIのエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自律制御技術と、同技術が搭載された産業用ドローンを提供しており、既にインフラ点検や郵便・物流、防災などの分野で採用されている。直近では、国産の小型産業用ドローン「Mini」もリリースしている。

 センシンロボティクスとACSLは、ドローンの加速的な社会実装においては、機体開発を含めたソリューション構築の段階から、実オペレーションや導入後の支援体制を含めた検討・検証が不可欠であると認識を共有している。今回、ACSLが強みとする実証実験(PoC)を通した機体開発と、センシンロボティクスが強みとするソリューション構築・社会実装力を組み合わせることで、エンドユーザーに対して高品質なワンストップのドローン利活用支援が提供できるようになった。また、ACSL産業用ドローンと、センシンロボティクスの「SENSYN FLIGHT CORE」への接続開発が完了したことにより、物流、インフラ点検、防災・災害対応等の幅広い分野において、より安全かつ高効率な完全自動化のドローンソリューション提供が可能となった。ドローンの自律飛行や自動離着陸が実現したことに加えて、飛行中・飛行後のフライトログ管理、カメラ等のセンサーデータ管理の一元管理が可能である。

 センシンロボティクスとACSLは、今後も相互のノウハウ・技術を活用し、より安全で高性能な完全自動運行ソリューションの実現に向け連携し、ロボティクス技術の産業利活用を推進していく、としている。