2021年10月20日、SkyDriveは、同社の物流ドローン「SkyLift」が2021年度グッドデザイン賞を受賞したことを発表した。

 SkyLiftは、一度のフライトで30kgの重量物の運搬が可能。山間部の送電線鉄塔保守の作業現場やダム・道路の建設現場では、現在も人が20〜30kgの荷物を担いで運んでおり、その運搬作業をドローンが行うことで労働負荷を軽減する。サブスクリプションサービスとして、2021年9月にデリバリーを開始している。

 今回の受賞では、「空を介して1日700kgの運搬が可能なSkyLiftは、既存インフラとは異なる3次元移動を実現し、重労働や困難な現場での運搬における新規性の高いソリューション」との評価を得た。

(左)飛行中も地上からの目視で進行方向がわかるデザイン、(右)実証実験の様子

各者コメント

グッドデザイン賞 審査員

 ドローンと言っても千差万別だ。軽量を競うもの、充電時間を競うもの、撮れる画像の質を競うもの。その中で、運送する重量に重きをおいたのがこのドローンだ。ヘリコプターと比較して人員の拘束がない分コストが下がるし、ドローンの中ではサイズが大きいため、安定感があり心理的負荷がかからない。山や高低差がある作業現場など、ソリューションが行き届かなかったエリアでの活用が期待される。

SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏

 この度は、このような評価をいただきありがとうございます。現場での活用がスタートしたタイミングでの受賞、大変うれしく思います。

 ワークパートナーとして、人に受け入れてもらいやすいユーザビリティ設計にこだわった「SkyLift」。山間の作業にとどまらず、災害地において道が断絶した場合の物資輸送など、さまざまな場面で人の役に立ち、空の道の活用を切り拓く存在になっていって欲しいと思います。この受賞を励みに、物流ドローンのさらなる改善・普及に邁進して参ります。

SkyDrive デザインディレクター/デザイナー 山本卓身氏

 空の移動の今を19世紀初めの自動車産業黎明期に重ね、まだ見ぬ100年先の未来を見据えて空の道のデザイン開発にチャレンジし続けています。そんな中、グッドデザイン賞受賞の朗報は非常に励みになります。産業としても黎明期、ノウハウの蓄積もまだ始まったのばかりの環境下で、様々なハードル、高い信頼性、安全水準、一つ一つのチャレンジをクリアした上で送り出した本機の受賞は本当に嬉しいです。

「SkyLift」は人への負担が多い運搬シーンで活躍するシェルパのように頼りにな力強い相棒をイメージしてデザインされています。これからも人の力になる空のモビリティ、皆様が見てみたくなるような空の未来をデザインしていきたいと思います。