2021年10月26日、DJI JAPANとエネルギア・コミュニケーションズは、中国電力ネットワークの協力のもと、本州と愛媛県大三島を結ぶ大三島支線 海峡横断部の送電線点検の実証実験を実施したことを発表した。

 従来、送電線の外観点検は、ヘリコプターからの目視やカメラによる撮影、地上や鉄塔からの作業員による直接目視で実施されており、コスト面や即時性、作業員の経験頼りになるなどの課題があった。同実証実験はこうした課題に対して、ドローンによる送電線点検の有効性を判断することを目的に実施した。

 実証実験では、DJIの業務用ドローン「Matrice 300 RTK」と、ズームカメラ「Zenmuse H20T」、解析ソフトウェア「DJI Terra」を活用。ドローンの自動飛行機能を使い、直径35mm送電線の点検を1.2kmの水平距離にて行った。
 事前に鉄塔と送電線の点群データ(構造物の形状と位置)を取得したうえでカメラを使用して外観を撮影。その撮影データを用いて、解析ソフトで3Dモデル点群を生成。それをもとに任意の離隔を保つ飛行航路とカメラ撮影設定を盛り込んだ自動飛行プログラムを作成し、自動飛行を実行した。

 これにより、従来の方法と比較して作業時間を大幅に短縮し、高精細な撮影データが取得できた。また、撮影データはリアルタイムで見られることから、問題が疑われる箇所発見後の再撮影も即座に行えることも確認。海峡横断部における強風下でも安定した飛行ができた。