2021年9月30日、日本郵便と楽天グループ(以下、楽天)の合弁会社である JP楽天ロジスティクスは、白馬村山岳ドローン物流実用化協議会が、2021年8月から同年9月まで長野県白馬村の山岳エリアで行ったドローンを活用した物資配送の実証実験に参加し、配送ソリューションを提供したことを発表した。

 JP楽天ロジスティクスは、楽天からドローン・UGV事業を引き継いでおり、白馬村での実証実験は楽天が2020年8月中旬から約1カ月間行ったものに続き、今回で2回目となる。

 実証実験では、山岳エリアが抱える物資輸送の課題解決を目指し、長野県白馬村の白馬岳の登山口にある宿舎から山頂にある宿舎までの往復約10km、高低差約1,600mを配送ルートに、ドローン物資配送の検証を行った。

長野県白馬村におけるドローン配送の様子

 具体的には、ドローン配送におけるパイロット任務や運航管理を行う地元事業者の育成・支援を通じて、地元事業者を主体とした配送オペレーションの運用体制を確立。

 2020年に白馬村で行った実証実験では7人の補助員を配置し10人以上で運用していたところを、今回は補助員を配置せず2人体制の運用でドローン配送を実施。運用体制の省人化により大幅なコスト削減を実現した。

 また、新機体を用いることで機体性能の向上を図り、最大7kgの物資を配送したほか、航空法に基づく許可承認のもと、安全性が高くエネルギー効率の良い、高度1m以下からの物件投下(※1)を行い、昨年の実証実験では実施できなかった往復飛行での配送を実現した。補助者を配置しない目視外飛行での物件投下による往復配送は、国内初の事例だという。

※1 飛行中のドローンから物を切り離し、落下させること。

長野県白馬村におけるドローン配送の様子

実証実験 概要

実施期間 :2021年8月~同年9月まで(約2カ月間)

配送ルート :「猿倉荘」(標高1,250m)から離陸し、白馬岳頂上宿舎(標高2,730m)および「白馬山荘」(標高2,832m)に配送。

飛行距離 :往復約10km、高低差約1,600m

配送物資 :生鮮食品、飲料、医療物資他(最大7kg)

運営主体 :白馬村山岳ドローン物流実用化協議会(白馬館、白馬村振興公社、からまつ、白馬村、MountLibra、eロボティクス、丸和運輸機関、カナモト、KELEK、先端力学シミュレーション研究所、JP楽天ロジスティクス)

ソリューション提供 :JP楽天ロジスティクス

実行 :地元事業者