2021年9月22日、兵庫県は、大阪市立大学 都市防災教育研究センター(CERD)、ドローン関連企業、地元市町と連携し、今年3月に実施した猪名川河川上空での2地点間(約2km)往復の輸送実験の結果を踏まえ、約12kmと距離を延伸したドローン輸送実証実験を実施すると発表した。
 兵庫県地域創生戦略の地域プロジェクトの一つである「多自然地域一日生活圏維持プロジェクト」の一環として、ドローンにより南部の町役場から北部の杉生診療所へ医薬品を運ぶ。
 なお、この実証実験は、環境優良車普及機構の補助事業「過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業」の採択を受けている。

 往路と復路でそれぞれ地震被害によるシナリオを設定し、実証実験を行う。往路では、緊急輸血が必要な受傷者が杉生診療所へ搬送されることを想定し、ドローンにより輸血用血液を配送する。復路では、受傷者の緊急入院が必要だが電話回線が不通である場合を想定し、ドローンにより受傷者の救急搬送依頼と患者情報を配送する。
 各発着地点に設置する大型モニタにより、飛行中のドローンの位置情報や機体搭載カメラの映像を確認できる。

 11月下旬には、飛行距離を延伸して2021年度 第2回の実証実験を実施する予定である。

ドローン輸送実証実験 概要

<日時>
2021年10月1日 13:00〜14:00
※天候によっては時間変更や延期の可能性あり

<設定ミッション>

1. 往路:地震による受傷者が杉生診療所へ搬送される。緊急輸血が必要となるが、基幹道路がマヒ状態のため、ドローンにより輸血用血液を配送する。

2. 復路:受傷者の緊急入院が必要となる。地震被害に伴う電話回線の不通のため、ドローンにより受傷者の救急搬送依頼と患者情報を配送する。

<飛行ルート>
猪名川町役場 駐車場~杉生診療所 駐車場の2地点間(約12km)、猪名川の河川上空を往復。

飛行計画・飛行ルート

<使用機体>
エアロボウイング「AS-VT01」(エアロセンス)

<主催>
日本コンピューターネット/大阪市立大学(都市防災教育研究センター:CERD)/兵庫県(企画県民部地域創生局)

<協力>
猪名川町/今井病院/ドローン・テクノサポート/エアロセンス

<今後の予定>
10月下旬:猪名川町立大島小学校でのドローン・プログラミング授業
11月下旬:2021年度 第2回実証実験(飛行距離を延伸予定)

参考:2020年度の取り組み

猪名川町でのドローン輸送実証実験
実施日:2021年3月10日
実施内容:以下2地点間(約2km)を、猪名川の河川上空で往復輸送
1. 猪名川町環境交流館(駐車場)
2. 猪名川町立大島小学校(校庭)

宍粟市でのドローン輸送実証実験
実施日:2021年3月18日
実施内容:以下3地点間(約2km)を結ぶ、引原川の河川上空での輸送
1. 波賀総合スポーツ公園
2. 宍粟市立波賀小学校
3. 宍粟市立波賀中学校

▼多自然地域一日生活圏維持プロジェクト・ドローン輸送実証実験 (兵庫県)
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk08/tashizen-drone.html