2021年9月10日、ウェザーニューズは、東京五輪大会期間中に、航空機の運航管理を現地サポートしたことを発表した。

 同社は宇宙航空研究開発機構(以下 JAXA)と協力し、「災害・危機管理対応統合運用システム(D-NET)」とウェザーニューズの動態管理システム「FOSTER-CoPilot」を連携することで、制限空域内を飛行する全ヘリコプターの位置情報を一元的に管理できるよう支援を行った。官公庁と民間のヘリコプターの位置情報を同じ動態管理システム上で表示するという官民連携を実現した初の事例だという。
 また、ウェザーニューズの気象予報士が当日の気象リスクを伝えるなど、気象面からのサポートも行った。

 大会開催期間中は、飛行制限区域を設けた上で各航空機間の運航計画の調整や動態管理を行う「空域統制所」が政府内に設置され、警察庁、総務省消防庁、国土交通省航空局、海上保安庁、防衛省、宇宙航空研究開発機構(以下 JAXA)、ウェザーニューズが連携して安全運航に取り組んだ。

 ウェザーニューズはJAXAと「災害・危機管理対応統合運用システム(D-NET)」の運用を支援。D-NETはJAXAが開発した運航管理システムで、ウェザーニューズ、ナビコムアビエーション、三菱スペース・ソフトウエアが共同で開発している「航空機運用統合調整システム」のプラットフォームとして採用されており、ウェザーニューズの機内持ち込み型動態管理システム「FOSTER-CoPilot」と連携が可能だ。ウェザーニューズは大会期間中に飛行制限空域内に進入する可能性のある民間ヘリコプターに対して、FOSTER-CoPilotの導入を支援し、JAXAと協力して位置情報をD-NETに表示させた。

機内持ち込み型 動態管理システム「FOSTER-CoPilot」

 また、視程の悪化や大雨、突風など運航の障害となる気象現象の発生や、緊急の救助活動が必要となる災害の発生リスクなどを把握できるよう、空域統制所内で気象ブリーフィングを連日実施。日中帯に発生する天気の急変を監視するなど気象面のサポートを行った。

気象解説する様子(ウェザーニューズ 航空気象事業部 高森美枝氏)

 近年はドローンの運航が増加しており、ヘリコプターとの衝突が懸念されている。同社は今後もJAXAと連携し、全てのヘリコプターとドローンの位置情報の一元化を目指し、安全運航を支援していく、としている。