2021年9月2日、日本郵船は、同社およびグループ会社が参加するDFFASプロジェクトが、無人運航船に必要な機能を網羅した包括的なシステムの一部として開発を進めている、陸上から無人運航船を支援するフリートオペレーションセンターを千葉市・幕張に竣工したことを発表した。

フリートオペレーションセンター

 フリートオペレーションセンターとは、船舶上の情報と陸上に存在する豊富な情報を収集し、船舶の運航状態を監視・分析することによって陸上からの支援を行い、緊急時には該当船舶のシステムに対して遠隔操作による関与も可能な無人運航船に求められる機能を網羅した包括的なシステムの一部を担う陸上設備である。

 国内30社が参加するDFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)プロジェクトでは、日本財団が実施する助成制度「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」において、2025年までの本格的な無人運航船の実用化を目標にしている。
 この助成制度は、世界に先駆けて内航船における無人運航の実証試験を成功させることで、同分野の技術開発への機運を醸成し、日本の物流・経済・社会基盤の変革を促進、当該技術開発を支援するために創設されたものだ。

 DFFASプロジェクトは、無人運航船が支える内航海運事業の実現を目指し、内航船の人手不足を解消するため、2022年2月に内航コンテナ船を用い、輻輳(ふくそう)する既存航路(船舶交通の非常に多い海域)における無人運航船の実運用を模擬した実証実験を行うとしている。この実証実験では、フリートオペレーションセンターから無人運航船の監視および緊急時を想定した遠隔操船を実施する予定である。

実証イメージ図

DFFASプロジェクト参加会社(順不同)

日本海洋科学(代表会社)、イコーズ、ウェザーニューズ、EIZO、MTI、日本電信電話、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、近海郵船、サンフレム、三和ドック、ジャパンハムワージ、ジャパン マリンユナイテッド、スカパーJSAT、鈴与海運、東京海上日動火災保険、東京計器、ナブテスコ、日本海運、日本郵船、日本シップヤード、日本無線、BEMAC、pluszero、古野電気、本田重工業、三浦工業、三井住友海上火災保険、三菱総合研究所、YDKテクノロジーズ ※必要に応じて適宜参加会社を追加検討