ティアフォー、損害保険ジャパン、KDDI、小田急電鉄は、4社で取り組む「5G×自動配送サービスプラットフォーム事業」が、2021年8月13日、東京都の「令和3年度西新宿エリアにおける5Gを含む先端技術を活用したスマートシティサービス(5G等活用サービス)実証事業」に採択されたことを、8月20日発表した。
 5Gを活用し、西新宿エリアにおけるラストワンマイルを自動走行ロボットが配送するサービスの実証実験を2022年1月頃より実施する。また、実証実験のモノの配送サービスを利用し、共同で課題検討などをしていく事業者を募集する。

 4社の取り組みは、西新宿エリアを全国に先行する実証エリアとし、東京都内において5Gを活用したサービスの事業化を促進することを目的としている。自動走行ロボットによる新たな配送サービス事業の実用化に向け、技術・運用・事業面での課題を可視化し、早期実用化を促すことを目指す。

 他の事業者とも連携し、西新宿エリアでさまざまなユースケースで自動走行ロボットを活用し、技術検証やオペレーションの検証に関する実証実験に取り組む。西新宿エリアでの自動配送サービスの実証実験を共同で実施する事業者を募集し、さまざまなユースケースを検討する予定だ。

 実証実験が行われる西新宿エリアは、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出し、都民が質の高い生活を送ることを目指す「スマート東京」の先行実施エリアとして、5Gなどの高速モバイルインターネット網を21世紀の基幹的公共インフラと位置づけ整備を促進する「TOKYO Data Highway 基本戦略」における5Gの重点整備エリアの一つに設定されている。

実証実験の概要

 「『ヒトが移動する』街から『モノが移動する』スマートシティへ」をテーマに、自動走行ロボットによる5Gを活用した配送サービスの実証実験を行う。

実施期間

2022年1月頃(予定)

走行エリア

西新宿エリア(新宿駅から新宿中央公園までの赤枠で囲われた部分)

テーマ:「ヒトが移動する」街から「モノが移動する」スマートシティへ

1. 自動走行ロボットによる配送サービスプラットフォームの構築
地域内の「ラストワンマイル配送」プラットフォームとして、自動走行ロボットを活用した実証を実施
多くの公道自動運転実証で培った走行技術、運行管理技術、5Gを活用した遠隔監視技術、トラブルサポートなど、配送サービスの実現に必要となる先進技術を、事業者向けにパッケージングして提供

2. 西新宿エリアでのサービスイメージ想起と実用化への課題発掘
事業者と広く連携してサービスシナリオを立案し、実際のサービスイメージを想起させる実証を実施
実施の結果、実用化にむけた課題について、技術面・運用面・事業面で洗い出しと対応方針を策定

取り組み内容

 さまざまなサービスシナリオに沿ったユースケースを用意し、西新宿エリア内に複数設置された「ミーティングポイント」までモノやサービスを積み込み、自動走行ロボットが配送する。詳細はユースケースごとに計画する。

ユースケース例

 事前予約した顧客に、自動走行ロボットがホテルから公園まで飲食物を配送する。ホテルのサービスを屋外でも楽しめる。※その他、今回募集する事業者とさまざまなユースケースを検討予定

車両(自動走行ロボット)

 自動運転システム「Autoware」(オープンソースの自動運転ソフトウェア)を搭載した自動走行ロボットを新規に開発予定。

各社の役割

ティアフォー自動走行ロボットの開発、自律走行オペレーション、
運行管理システムおよび遠隔監視システムの技術開発・提供
損保ジャパン自動運転リスクアセスメント、遠隔見守り、保険提供
KDDI5G/4G LTE通信ネットワークの構築、提供
小田急配送ユースケースの実証実験の実施協力