2021年6月28日、NTTドコモ(以下、ドコモ)は、北米のドローンメーカーSkydio社の飛行支援ソフトウェア「Skydio 3D Scan」の取り扱いを、同日より開始すると発表した。

 Skydio 3D Scanを活用することで、3D、2D撮影など利用目的に応じて自律的、自動的に構造物を撮影することができる。GPSが取得しづらい環境や複雑な構造物でも、上下6つのカメラが取得したデータをもとに障害物を回避しながら自動飛行する。

 シンプルな設定で、目的に応じた飛行が可能。はじめに構造物の上面、下面、幅など構造物の領域を指定し、構造物との距離や撮影する写真の重なる範囲の比率(ラップ率)などを設定する。デジタル空間上に3D仮想モデルを作成する際には、構造物に接近して多くの写真を取得し、現場の状況把握などスピードが求められる状況では、少ない枚数で網羅的な写真を取得する。

 カメラの角度や機体の向きも自動調節しながら飛行する。決められたエリアの外にドローンが出ないよう安全機能の設定も可能。ドローンプラットフォーム「docomo sky」のAI解析機能や3D構築ソフト、ビューワーを利用すれば、飛行軌跡とともに詳細な写真を撮影することもできる。

Skydio 3D Scanで飛行中のSkydio 2。

Skydio 3D Scanの飛行軌跡と飛行順序。黄、青、紫の矢印の順で規則的に飛行する。

Skydio 3D Scan™のご紹介(docomoOfficial)

 ドコモでは、2021年7月16日(金)、19日(月)に開催する5Gソリューションの展示会「docomo 5G DX MEETUP for business」にSkydio 3D Scanの出展を予定している。

Skydio 3D Scanの特徴

1. 構造物の3Dモデル化、2Dオルソ化などに適した撮影

 従来のソフトウェアでは飛行が困難であったGPSが取得しづらい環境や複雑な構造物の撮影が可能。

<撮影可能な構造物の例>

鉄製構造物
GPSが取得しづらい環境下の橋脚
複雑な構造物

※ 取得した写真から3D化するためには別途3Dモデル構築のソフトウェアが必要。

2. 規則的で効率的な撮影

 規則的、効率的に構造物の撮影が可能。例えば、高いスキルを持つパイロットの手動飛行とSkydio 3D Scanでの自動飛行を比較すると、後者の方が短い時間で網羅的、規則的かつ少ない枚数で撮影できることがわかる。

 パイロットによる手動飛行(Skydio 2でタイムラプス撮影機能を用い1秒1回シャッターを切る設定で撮影)は、撮影時間が約11分、枚数は785枚(画像左)。Skydio 3D Scanによる自律・自動飛行は、撮影時間は約6分、枚数は193枚(画像右)。

パイロットによる手動飛行(左)、Skydio 3D Scanによる自律・自動飛行(右)

※ ドローンの飛行軌跡は、エヌ・ティ・ティ・コムウェア「Knowledge Map 4D」を用いて表示。

3. シンプルな操作

 GPSが取得しづらい環境でもシンプルな操作で安全な自動飛行が可能。撮影前の設定では、構造物の領域指定後、重なる範囲の比率(ラップ率)を調整することでバッテリー残量などを踏まえた撮影の設定が行える。

操作画面イメージ

4. AI解析での活用

 構造物と一定間隔を保ちながら撮影を行うため、解析しやすい画像を取得可能。

<ひび解析>

<サビ解析>

※ドコモのドローンプラットフォーム「docomo sky」で解析、確認。「ひび解析」は富士フイルムの「ひびみっけ」、「サビ解析」は、Automagiの「AMY INSIGHT」を利用している。