2021年6月2日、プロドローンは、トンネルの天井面を検査可能なドローン「PD-WL」をウオールナット社に納品したと発表した。この機体は、トンネル天井面に張り付いた形で検査を行うことができるため、効率的な点検業務が可能となる。

トンネルの天井面を検査可能なドローン 「PD-WL」

 全国のトンネル数は約1万本(国土交通省調べ)あり、その約3割にあたる3,200本が建設後40年以上経過している。そのため、急ぎ広範囲な点検が求められており、プロドローンはそのニーズに応えるためPD-WLを開発した。

 PD-WLは、汎用の大型機「PD6B-Type2」をベースに、各種センサーや推進用プロペラを追加している。トンネル等の天井面検査に有効な、自動張り付き、横ずれ防止、前後推進、段差乗り越え、操舵などの機能があり、非GPS環境下でも安定した飛行が可能だ。天井面に張り付いた際に困難となる機体の速度制御には、同社独自の技術を用いて正確な計測を実現している。

両社コメント

ウオールナット担当者
 「これまでのトンネル調査では多くの調査員が必要でした。さらに調査のための仮設足場や高所作業車の組み立てといった作業に加え、機器の操作に必要な資格を有する人材も不可欠でした。その課題を解決してくれたのがこのPD-WLです。当機体を活用することで、人員不足の解消と工数やコスト削減だけでなく、迅速にサービスを提供できるようになりました。また、社会インフラの調査には3Kというイメージもありましたが、PD-WLにより、安全でスマートな計測が行えるようになりました。
 今後もドローンや計測ロボットを積極的に活用し、魅力ある建設現場、イメージ向上に貢献できる企業として取り組みを進めていきます」

プロドローン開発担当者
 「一般的にトンネル内は衛星を利用した測位ができず、また磁気環境も悪いためドローンを運用させることが困難です。PD-WLはそのような環境下でも自動で安定した飛行・検査を行うことができ、今後のインフラ点検に大きく貢献してくれる機体になると思っています」