2021年4月16日、DRONE FUNDは、エイトノットへ、3号ファンド(正式名称:DRONE FUND 3号投資事業有限責任組合)から出資を実行したと発表した。
 エイトノットは、ロボティクスとAIによって、小型船舶を中心とした水上モビリティの自律化を目指すスタートアップである。ラグジュアリーボートの開発・製造を行うMarine Xからのカーブアウトにより、2021年3月に創業。将来的には物の輸送や人の移動を担うことを目指している。

 漁業や海洋調査、海洋インフラ整備、海上交通などの分野では、労働力不足が深刻となっている。また気候変動対策の観点から、自動車などで行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換する「モーダルシフト」の機運も高まっている。

 こうした背景からロボティクス技術の分野では、ASV(小型無人ボート)やAUV(自立型無人潜水機)、ROV(遠隔操作型無人潜水機)が注目を集めている。2020年11月には、国土交通省が「海における次世代モビリティに関する産学官協議会」を発足するなど、海洋ロボティクスおよび海洋モビリティは最新のイノベーション市場のひとつとなっている。

 DRONE FUNDは、これらのマクロ環境の動向、およびエイトノットの自律航行技術とその発展可能性を評価し、今回の投資を決定したという。同社は、これまでに水中ドローン(ROV)を開発する国内メーカーへの出資を実行するなど、空のテクノロジーに限らず、自律航行あるいは遠隔操縦の可能なロボティクス全般を「ドローン」と捉え、投資活動を展開してきた。水上ドローン、水上モビリティ関係のスタートアップへの投資実行は今回が初めてとなる。

 3号ファンドでは「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現、特にこれらのテクノロジーやソリューションの社会実装に向けて投資活動等を進めていく、としている。

EVロボティックボートのイメージ画像(画像提供:エイトノット)