2021年3月25日、IHIは、小型ドローンを活用することで、プラント停止期間の短縮と補修箇所の早期発見を可能とする発電プラント設備点検サービスの提供を、4月1日より開始すると発表した。

 発電プラント設備内部は狭隘箇所が多いため、このサービスでは、Liberawareが開発した狭小空間専用ドローン「IBIS(アイビス)」などの小型ドローンを使用する。ドローンで撮影した映像を設計者が設備外部で確認し、効率的な設備点検サービスを提供する。

 IHIはこれまで約2年間、複数の発電プラント設備内部において、粉塵が舞い視界不良な環境下でのドローン飛行試験を実施し、点検手段としての有効性の検証を進めてきた。その結果、ボイラ、ダクト、脱塵設備、脱硫設備などの各設備で損傷部位を的確に発見することが可能で、復旧工事期間の短縮にも繋がることから、目視点検の代替手段として適用可能と判断し同サービスの提供に至った。

 このサービスにより、① 多数の個所を効率的に点検することで検査期間を短縮化、② 緊急停止時でも損傷部位を短時間で発見し早期再稼働、③ 点検の無人化による安全性の向上 が期待でき、プラント設備のメンテナンスコスト低減につながる。

ドローンで撮影した「ボイラ吊下形パネル 金物取付部」
ドローンで撮影した「ボイラ火炉壁 スートブロワ開口部」

IBIS概要
サイズ :191×179×54mm(プロペラガード込み)
重量 :185g(バッテリ込み)
装備類 :LED照明、防塵用モーター、超高感度カメラ、独自設計のプロペラ 他


 IHIは、各種発電プラントの建設とメンテナンスに関する知見をもとに、保守サービスやIoTによる運転支援などのライフサイクルビジネスを通じて、環境負荷の低減とエネルギーの安定供給の両立に積極的に取り組んでいる。
 今後も、新技術を取り入れたライフサイクル全体の包括的なサービス提供、発電所の安定運転・高稼働率での運転に寄与することで、カーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献していく、としている。