固定翼ドローンを活用した災害情報支援システムの研究・開発を進めるテラ・ラボは、福島ロボットテストフィールド(以下RTF)で開催されたドローンやロボットの実演展示イベント「ロボテスEXPO 2021」(2021年3月18日、19日)において、車両型地上支援システムを利用した飛行試験を初披露した。

飛行試験前の様子

 福島イノベーション・コースト構想推進機構が主催する「ロボテスEXPO 2021」は、RTF各施設の実験環境の紹介と、参加ロボット関連事業者のPR、ビジネスマッチング創出を目的としたもので、イベントでは様々なドローン・ロボットの最新技術が紹介された。

プレゼンテーション準備の様子

 テラ・ラボは無人航空機エリアにおいて、車両型地上支援システム(中継車)を利用したドローンの飛行試験を実演。約5分間のフライトを行った。車両型地上支援システムのドローン自動制御機能と連動し、ドローンから送られる飛行高度、緯度経度の情報がリアルタイムで確認できる。

 車両は大容量の発電システムを持ち、衛星通信3回線、携帯電話通信10回線が確保できるほか、ドローンから得た情報を3次元データ化する解析システムを備えている。
 また、ドローンから取得した解析データをクラウド上にアップロードすることで、場所を問わずシステムへのアクセスが可能である。災害時はいち早い情報提供・判断が求められるため「救助・支援のスピードアップにもつながる」と、同社の松浦代表は述べている。

車両型地上支援システム
固定翼ドローン(4m)離陸の様子
飛行試験の様子

 同社は、今秋には南相馬市復興工業団地内に整備工場およびデータ解析試験研究施設を新設する予定。今後、自動制御による長時間の飛行試験を進め、2023年の社会実装に向けて迅速かつ正確な災害情報の解析データの収集・共有の研究を強化していく、としている。