2021年1月22日、ベクトル子会社のスマートメディアは、デジタルクリエイティブ企業のセブンセンスと業務提携し、ドローンテクノロジーを活用した空の広告・エンターテイメントをプロデュースすることを発表した。

 ベクトルグループは、あらゆるメディアをコミュニケーションのインフラとして捉え、モビリティメディア(タクシーサイネージ)「GROWTH」や、DOOH(デジタル屋外広告)事業でのサービス提供、ハイパーカジュアルゲーム分野への参入など、メディア面のオーナー化および収益化を柱とした事業を進めてきた。そして、5Gによるインターネット通信速度のさらなる高速化、およびXR(VR、AR、MR等の総称)のような体験表現技術の進展、ドローンデバイスの発展といった最先端技術の広告分野への応用の浸透という背景から、「空」をデジタルメディアの一つとして捉え、その可能性に着目したという。

 また、以前よりドローンが生み出すコンテンツ価値の高さに注目し、ドローンの性能を最大限に引き出せるパイロットの存在が重要であると考え、ネットワーキングと育成に注力してきた。優秀なドローンパイロットを基盤にしながら、セブンセンスのデジタルクリエイティブを組み合わせることで、質の高いエンターテイメント・コンテンツを創出することができるという。これらを新しい企業マーケティングの仕組みとして、サービスを提供する。

 このサービスは、多数の無人ドローンを制御しながら、機体に搭載したLEDライトによって夜空に企業・ブランドロゴやイメージキャラクター、 商品デザイン等を映し出すもので、 その規模感やエンターテイメント性から、ダイナミックな企業マーケティングの演出を実現する。ベクトルのドローンパイロットプロダクション機能を活かしながら、セブンセンスがクリエイティブ制作を担当。広告・エンターテイメントを包括的に実現できる体制を、スマートメディアが全体プロデュースする。また、ベクトルグループでマーケティングおよびセールス領域もカバーすることにより、幅広いジャンルにおけるクライアント企業に対して新たなコミュニケーションを提案する。

 従来、大規模なイベント等を実施する際は、大型造作物の制作等により多額の費用がかかるが、今回の仕組みを活用することにより大幅なコスト削減が可能となる。また、イベント開催に伴う大型制作物の撤去・破棄等の必要がないため地球環境にも優しく、SDGs時代のイベントとして展開することが可能になる。

 さらに、別機体のドローンから空中撮影した動画をコンテンツ化し、ベクトルグループが各種メディアやインフルエンサーのSNS等で拡散するなど、企画から話題化までを総合的にプロデュースする。

クリエイティブ事例

シンガポール「STAR ISLAND」