自律制御システム研究所(以下ACSL)は、12月2日(水)~12月5日(土)に実施された、ANAホールディングスらによるドローンでの日用品・処方箋医薬品の即時配送サービス実証(※1)において、5kgペイロードの中型物流ドローン原理試作機の実環境における現場実証を実施し、合計65回、総延長160km以上の飛行を行ったことを、2020年12月17日に発表した。

実証において実際に荷物を運ぶ様子

 ACSLは国産の産業用ドローンを開発しており、物流、インフラ点検、災害等、様々な分野で採用されている。ドローンの制御を担うフライトコントローラを自社で開発しており、セキュアで安心なドローンの社会実装を推進してきた。特に物流領域においては、労働力不足という社会問題を解決するためのロボティクス技術として、ドローンの社会実装へのニーズが高まっており、同社では多くの企業と物流領域における補助者なし目視外飛行(レベル3)の実証を重ねてきた。

 こうした各社との実証実験を通し、物流領域においてレベル4が実現した際にドローン物流の社会実装を推進するためには、現状の機体よりもペイロードを大きくし、5kg程度の輸送を可能にすることかつ飛行距離が20km程度あることが重要であることがわかってきたため、2020年8月発表の中期経営方針「ACSL Accelerate FY20」において中型物流ドローンの開発、量産化を戦略のひとつとして推進している。

 本原理試作機を用い、12月2日(水)~12月5日(土)に福岡市で実施されたドローンでの日用品・処方箋医薬品の即時配送サービス実証において、実環境における現場実証を実施した。

中型物流ドローン試作機

 今後、ACSLは本実証に用いた中型物流ドローン原理試作機のさらなる現場検証を重ね、社会実装可能な物流ドローンの開発を目指していく、としている。

※1 ACSLプレスリリース「ANAホールディングスらが実施するドローンでの日用品・処方箋医薬品の即時配送サービス実証に機体を提供します」(2020年11月24日)