DJI JAPANは、サノヤス・ライドと共同で、新たに発表したフルサイズセンサー搭載の航空測量用カメラ「DJI Zenmuse P1」を活用して、遊戯施設の点検業務効率化の推進を目的とした検証を実施し、その事例を2020年12月3日に動画で公開した。遊戯施設点検は、建築基準法に基づいて定期点検報告が義務付けられている。また、法定検査以外、遊戯施設にも日々の維持保全・運行管理の安全確保が重要である。

遊戯施設点検の実証実験

 サノヤス・ライドは、遊戯施設設計・製造・メンテ修理そしてその運営をメイン業務としている。大型遊戯施設の点検は高所作業になり、危険な作業を伴う。作業の安全性とコスト効率を向上させるために、同社では2016年からDJI製のドローンを導入し業務に用いている。

 本共同検証では、観覧車などの大型遊戯施設を対象に、「Matrice 300 RTK」に「DJI Zenmuse P1」を搭載し、画像の処理にはマッピングソフトウェアの「DJI Terra」を活用している。DJI Zenmuse P1は、4500万画素の撮影が可能なため、撮影する枚数と飛行時間の短縮を実現した。

 さらに、DJI Terraにおいて生成した点群上で画像の管理を一括して行えるため、必要としている画像へすぐにアクセスできる。その結果、従来まで丸一日かけていた処理を数十分ほどで完了させた(※1)。


 今回の実証を経て、サノヤス・ライド取締役 工事部長兼設計部担当の三宅朋文氏は次のように述べている。「我々のミッションは、安全/安心な遊戯施設を提供し、施設の運営者のメンテナンスのサポートを通して、来園のお客様に心から楽しんで頂ける環境をお届けすることに尽きます。その為には、徹底した点検あるのみです。今回の検証ではDJI製品を活用し、精度の高い点検、安全な作業を担保し、かつ効率面の向上を実証できたと感じております」。

※1 パソコンの性能、画像枚数、出力するファイル種類による

DJI Zenmuse P1

 地理空間データ収集に特化して作られたDJIカメラペイロード。45MPのフルサイズの低ノイズ高感度センサーを統合し、3軸ジンバルスタビライザー上の交換可能な24/35/50mm単焦点レンズで柔軟な表示形式を提供する。地上基準点がない状態でも高い精度(水平3cm/垂直5cm)(※2)を実現し、一回の飛行で3km2(※2)範囲をカバーできる。メカニカルシャッターを搭載し、マイクロ秒レベルでモジュール間の時間を同期するTimeSync2.0システムを採用。リアルタイムの位置と方向を補正する技術と組み合わせ、cmレベルでの精度の高いデータを取得できる。

価格と販売時期
詳細な販売価格、予約注文はDJI Enterprise正規販売代理店まで。2020年11月より先行予約開始しており、2021年から順次出荷する予定である。

推奨基本製品構成
Matrice 300 RTK+Zenmuse P1+DJI Enterprise Shield(一年間)
*バッテリーなどのアクセサリー類は、基本製品構成には含まれない。

参考価格
Matrice 300 RTK 機体本体参考価格:約95万円(バッテリーと充電器は含まれない)
Zenmuse P1参考価格:約122万円から(DJI Enterprise Shield一年間付き)

▼DJI Zenmuse P1
https://www.dji.com/zenmuse-p1

※2 DJI自社独自検証