新明和工業は、2020年10月27日~28日の間、長岡技術科学大学が中心となり新潟県の佐渡空港にて実施した電波伝搬特性試験に、固定翼型無人航空機「XU-S(Experimental Unmanned / Utility aircraft by ShinMaywa)」の貸与を行った。

試験飛行中の固定翼型無人航空機「XU-S」

 今回の試験は、長岡技術科学大学が実施する総務省の委託研究(SCOPE)の一環で、無人航空機の運用に169MHz帯域の電波を用い、その優位性を示すとともに、地上に設置した中継局による通信エリア広域化の可能性を検証するものである。XU-Sは長時間滞空能力(※)を有することから検証に適するため貸与するに至った。

 実証試験においては、佐渡空港から離陸後、自律飛行機能により加茂湖上空の高度30mから140mの間を、上昇/降下しながら周回飛行を行い、佐渡空港に着陸するというミッションを複数回実施した。

加茂湖上空を周回飛行する「XU-S」

 XU-Sは、環境に配慮し排気ガスを生じないLiPo(リチウムイオンポリマー)電池を動力源としながら、長時間滞空能力に長けていることが特長であり、観測・監視・通信などの幅広い分野での応用を目指しているという。

 なお同社は、今回の新潟県での試験に続き、兵庫県が主催する「令和2年度 ドローン先行的利活用事業」での試験も予定している。

今回の試験に先立ち、10月22日、昨年に続いて新潟市から補助金と飛行場所の提供を受け、XU-Sの性能検証試験を実施し、この時点で3時間42分の長時間滞空と135kmの飛行能力を確認している。

貸与した固定翼型無人飛行機「XU-S」概要

サイズ全長2.5m、全幅6.0m、全高 0.4m
自重(電池含む)11kg
主な材料炭素繊維強化プラスチック(CFRP)
操縦系統無線操縦系統、自律操縦系統
推進系統電動・プロペラ・双発


▼電波伝搬特性試験に関する詳細
長岡技術科学大学 令和2年10月定例記者会見
4. 佐渡空港において固定翼型無人電気飛行機を利用した電波伝搬特性試験を行います(技術科学イノベーション専攻 教授 中山忠親)