2020年9月10日、マゼックスは、1つのバッテリーで同社既存製品の2倍の面積に散布できる軽量・低燃費・散布性能向上を実現した「飛助mini」を発売したことを発表した。価格は54万円~。

飛助miniの特長

 多種多様な作物を生産する中山間地で使用するために、使いやすさと最新の制御装置により安全性を高め、低価格を実現。

 4本のアームを折りたたむと助手席に置けるほど小さく、重量も6kgと軽量化。機体重量を軽くするほどダウンウォッシュ(降下気流)が弱くなり、風の影響を受けやすくなるため、フレーム構造を一般的な〈X〉の形状ではなく、小型でも充分なダウンウォッシュを確保できるように〈十〉の構造に改良されている。

 5Lの容量でも1フライトで60aの圃場を散布可能。最大62.5aまで一度に散布できる。

 動力になるブラスレスモーターやESCは、農薬や水、ほこりなどの過酷な労働条件にも対応できるよう、防水防塵加工や内部冷却機構で構成され、メンテナンス性も向上。

 高強度炭素繊維で製造された24インチプロペラは、薬剤を積載した状態でも消費電力を削減するための組み合わせにより長時間フライトが可能になった。

 Lechler社ノズルを使用。1分間の吐出量に対して適切な角度と粒形で散布できる。ノズルの部品交換にも対応。液剤農薬だけでなく、粒剤散布装置や肥料・豆粒散布装置を現場で容易に交換可能である。また、大型機と同様の大きな投入口になったことでタンク内の清掃が容易になり、円錐形の形状をしているため残留農薬を削減。標準で大型ストレーナーも付属するので、液体薬剤に混入している不純物も簡単に取り除くことができる。

 キャノピーの背面にはLEDモジュールが備えられ、ひと目で機体の状態を確認することができる。横面からの視認性も向上したため、準備作業時も確認しやすくなった。

自動飛行モード (ベーシックには付属しない)
 タブレットやモニターを使用することなく直感で自動散布飛行が可能。全方向移動、散布装置のON・OFFも全自動。前後移動時だけ散布装置がONになり、ホバリングと横移動は散布装置がOFFになるので薬剤を的確に散布できる。

直進アシストモード (ベーシックには付属しない)
 初心者でも簡単に散布できるよう、GPSで経路を補正しながら速度は15kmで固定、散布装置も自動制御し、緑線だけを散布する。自動で4m横移動や散布装置が動作するので、作業者が替わっても正確な散布幅で作業でき、散布ムラを低減する。

 最新の制御装置は、液体が揺れても瞬時の判断で安定飛行を継続。2つの気圧計とコンパスを装備し、センサーに不具合が生じてもフライトを維持し安全性・信頼性を高めている。操作性も向上し、ゆったりとした動作のため初心者でも落ち着いて操作することができる。自動制御により高度・位置・スピードは一定に保たれ、送信機から手を離せば自動でブレーキをかけてホバリングを開始する。

希望小売価格 :540,000円〜(税抜)

※飛助miniには「ベーシック」「アドバンス」「アドバンスG」「プロ」の4つのグレードがあり、内容・機能が異なる。詳細は製品ページを参照。

▼飛助mini 製品ページ
https://mazex.jp/product/4809

飛助mini スペック

機体
対角モータベース900mm
寸法(プロペラ含まず)990×990×548 [広げた状態]
515×585×548 [折りたたんだ状態]
モーター外径70mm
プロペラ24inch
LED高輝LED 前:赤、後:緑、横:白
バッテリーサイズ165×120×55
バッテリー重量2.4kg
バッテリー容量178wh 22.2V 35C Li-Po×2

液剤散布装置
タンク容量5L
動作ペイロード5kg
ノズルチップレヒラー社 ST ボタ落ち防止弁付き
タンク材質ポリエチレン
ノズル数2個
散布幅4m
最大散布量1L/分
ポンプ最大流量4L/分
1回散布最大面積62.5a

飛行パラメーター
総重量(バッテリー含まず)6.2kg
総重量(バッテリー含む)8.6kg
最大離陸重量13.6kg
最大ホバリング時間18分
最大搭載重量5kg
最大使用風速8m/s
最大飛行速度30km/h
最大到達高度50m
最大飛行距離300m
電波到達距離1,000m
使用可能温度5~40℃

送信機・受信機
送信機機種ベーシック FUTABA10J
アドバンス・プロ FUTABA12K
動作周波数2.4GHz
最大伝送距離1,000m
受信機R3008SB
モニター128×64ドット

充電器
外寸寸法272×202×118.6mm
重量4.88kg
入力電源100-240V
総出力電力1080W
最大充電電流20A
充電時間20~40分