マゼックスは2月10日、 住友林業と共同開発した林業用苗木運搬ドローン「MORITO(森飛)」を全国で発売する。このドローンは、これまで重労働だった苗木運搬の効率化、省力化を実現するもので、これにより林業分野で大きな懸案事項となっている再造林時の人手不足や高齢化に貢献するという。同商品は年間100機の受注を目指す。

「MORITO(森飛)」の主な特徴

1.運搬力(これまで重労働だった苗木運搬を省力的、効率的に)

 苗木運搬にドローンを活用すれば、重い苗木を担ぎ時間をかけて現場を往復する作業がなくなり、重労働から解放されるだけでなく、作業効率アップにもつながる。

MORITO(森飛)で苗木を運ぶ場合
・1フライトで8Kg(コンテナ苗で40本~80本程度)の運搬が可能
・苗木の運搬は1人で可能。1時間で500本程度の運搬が可能

2.ウインチを使って苗木を昇降することで、山林での安全な飛行を実現

 山林では、傾斜地や斜面に囲まれた場所などに苗木を下ろす場合がほとんどである。そのような場所では、機体が斜面に接触する危険が高まるが、付属のウインチを使うことで、機体は安全な位置でホバリングした状態で苗木を降下することが可能になる。

 また、山林では平地に比べ、強風や突風に会うことがよくある。そのような環境でも、ウインチを使って苗木を機体近くまで巻き上げた状態で飛行することによって、安定した飛行を実現することができる。

3.専用フックの使用により、 苗木の離脱を自動化

 傾斜のある植栽現場において、ドローンを着陸させるのは困難なことである。そこで、苗木が着地したときの張力の変化で自動的に外れる仕組みを持った「自動フック」を採用した。これにより荷外しの作業が不要になるため大幅な省力化となるだけでなく、作業者の安全も同時に確保できる。

4.苗木の運搬ルートを記憶させて自動飛行することで、 さらなる省力化を実現

 専用ソフトに出発地と目的地の情報を登録すれば、離陸と着陸以外の飛行についてはボタン一つで自動飛行を行うことが可能。苗木の運搬作業は同じ場所に繰返し荷下ろしを行うため、この機能を使うことで省力的かつストレスフリーな飛行を実現する。さらに、飛行経路の安全を確認したあとの一人作業による苗木運搬を可能にする。

5.荷降ろしの状態は、 モニターで確認しながら実施することが可能

 一人作業による苗木運搬を実現するためには、離れた目的地の状態を確認できる必要がある。MORITO(森飛)では、ドローンに搭載したカメラで荷下ろしの状態を確認することによって、目的地での確実な荷下ろしをサポートする。またカメラは、プロポの操作で見る角度を変えられるため、離れた目的地でも周囲の状況を確認することが出来る。

6.安全安心のために

 自然条件の厳しい山林でドローンを飛ばすということは、万が一のことが起きた時の備えも重要である。MORITO(森飛)では、手動によって機体を帰還させなければならない状況に陥った時や、機体を見失う事態になった場合のことまでを想定した機能を備えている。

機能1:機体の色及び点灯するLEDライトの色を機体の前後で変えることで、手動操作になったときの機体方向の把握を容易にしている。
機能2:専用のソフトでは機体の現在位置が表示されるため、事故となった場合でも、機体の発見が容易になる。(動産保険適応の対象となるためには、機体の発見が必須)

商品概要

商品名 :MORITO(森飛)
発売日 :2020年2月10日
販売エリア :全国
本体価格 :268万円(税抜き)
受注目標数 :100機/年

マゼックス「MORITO(森飛)」製品ページ
https://mazex.jp/product/2030