2020年9月7日、DRONE FUND(以下ドローンファンド)は、ANSeeNへ、DRONE FUND 2号(正式名称:千葉道場ドローン部2号投資事業有限責任組合)より出資を実行したことを発表した。

今回の投資について

 ANSeeNは「Make Invisible Visible」――目に見えないものの可視化――をビジョンに掲げ、X線を活用したカメラ・センサーを開発する静岡大学発ベンチャーである。

 1895年に発見されたX線は、対象の内部を「見る」ことができるため、特に医療用途や産業用途で欠かせない存在となっている。ANSeeNは、光のフォトン1つを捉える究極のイメージングを可能とする大画面X線イメージセンサ、および当該イメージセンサを搭載したX線カメラを開発した。今回の資金調達により、2021年に大画面X線イメージセンサ、およびX線カメラの量産体制を目指す。

X線イメージセンサのイメージ画像。ANSeeNが独自に開発したLSI(集積回路)により、フォトン1つ1つの色情報を捉えてセンシングすることを可能とした(画像提供 ANSeeN)

 ドローンは、人の目や手が物理的に及ばないところにアクセスできるという強みを生かして、現在インフラ点検や農業などでの産業利用が進んでおり、将来的には物流分野への応用も強く期待されている。その上、ANSeeN独自のフレームレートの高いX線カメラにより、公共インフラ等の非破壊検査など、従来のカメラやセンサーでは不可能だったユースケースにもドローンの活用が広がっていく可能性・将来性を高く評価し、ANSeeNへの投資を決定したという。

 ドローンファンドは、今後も「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に向けて、ドローンのパフォーマンスの拡張に貢献できるテクノロジー、ソリューションへの投資を加速していく、としている。

ANSeeN 概要

商 号  :株式会社ANSeeN
代表取締役 :小池昭史
所在地  :静岡県浜松市中区城北3-5 1F
設 立  :2011年4月
事業内容 :次世代放射線検出器の設計開発・製造販売
ウェブサイト http://anseen.com