フリアーシステムズ(以下FLIR)は、2020年8月12日、FLIR Hadronを公開した。Hadronはドローンやロボット、画像処理関連のOEMメーカーに向けた業界初のデュアルセンサーモジュールである。軽量かつ低電力でコンパクトな筐体の同モジュールは、開発コストを抑えながら市場投入までの時間を短縮できるように設計されている。12メガピクセルの可視画像カメラに、解像度320×240・フレームレート60fpsのFLIR Bosonサーマルカメラを組み合わせている。

 「今回のHadronの発売をもとに、フリアーシステムズは、民間用ドローンから産業用画像処理システムまで様々な産業分野にわたって、デュアルセンサー統合製品の提供を推進していきます」と、FLIRのコンポーネント事業担当ゼネラルマネージャーPaul Clayton氏は述べている。「まずは、無人航空機システム(unmanned aerial system:UAS)分野のお客様にHadronを使った製品を市場に出していただきたいと考えていますが、OEM生産を行う当社のすべてのお客様にも、そのまま統合できる容易性と手間がかからない機能性によって性能を強化してもらえる製品となっています」。

 Hadronの開発プロセスの一環として、FLIRはドローンメーカーのVantage Robotics社やTeal Drones社と緊密に協力し、軽量ドローン機体に最適なモジュールを完成させた。

 Vantage Robotics社は、同社の特許技術である安定化技術を採用した小型ジンバル機構にHadronを組み込み、既存のUAS機体や今後可能性が見込める他のロボットプラットフォームに対するデュアルセンサーOEMソリューションの提供を実現した。

 Vantage Robotics社CEOのTobin Fisher氏は次のように説明している。「Hadronは、可視画像と熱画像のセンサーを兼ね備えながら、これまでの市販製品のなかで突出して軽量かつ小型です。飛行性能の限界を押し上げようと追求する機体では、1gも妥協できません。そのため、これほどコンパクトに、これらのセンサーを搭載できることは決定的な差別化になります」。

 Teal Drones社も、同社の1kgのGolden Eagle UASプラットフォームにHadronを組み込むことで、このモジュールのコンパクトなサイズを活かして軽量ながら大きなペイロードを実現し、バッテリー寿命を確保して小さい機体で最大限の飛行時間を実現できるようになった。

 Teal Drones社の設立者でCEOのGeorge Matus氏は「Hadronの採用によって、熱画像と可視画像センサーを搭載した小型の機体を迅速に開発でき、その市場投入までの時間も短縮できました。Hadronは高い品質と軽量性、コンパクトなサイズから、試作機の開発でも素早いインテグレーションが可能です」と述べている。

 FLIR Hadronは、FLIR.comまたはフリアー正規代理店を通じて購入が可能。詳細は以下製品ページを参照。

▼FLIR Hadron 製品ページ
https://www.flir.com/hadron/

Introducing the FLIR Hadron™ Integrated RGB/Thermal Module | OEM