フリアーシステムズ(NASDAQ:FLIR、以下フリアー)は、知的財産(IP)と特定の運営資産をアリア・インサイツから買収したと発表した。取引の条件は開示されていない。

 以前CyPhy Worksと呼ばれていたアリア・インサイツ(以下アリア)は、有線の小型無人航空システム(sUAS)の開発を先駆的に手がけた。アリアは2008年にiRobotの共同創立者Helen Greinerによって設立されて、複数のテクノロジー投資家の支援を受け、特に継続空中偵察通信(PARC)用有線ドローンを開発したことで知られている。同社は、2019年3月に営業を終了した。

 有線ドローンは、マイクロフィラメント線で基地や車両と繋がれ、途切れのない電力供給とセキュリティーの高い通信が可能。特定の用途では、有線ドローンは自由に飛行するUASと比べて有利な点を持っている。長時間の任務で持続的な運用が可能であり、途切れのない状況認識を提供するので、情報収集・監視・偵察(ISR)機能を果たすことができる。

軍事などの用途において、有線ドローンは持続的な状況認識をもたらすことができる。基地や車両と接続され、電力供給とセキュリティーが確保された通信が可能。(写真:ビジネスワイヤ

 アリアの資産は、フリアーの無人システムおよび統合ソリューション部門に統合され、2016年のProx Dynamicsと、今年のAeryon LabsおよびEndeavor Roboticsの買収によって築かれた同社の技術プラットフォームを強化する。

 フリアー政府・防衛事業部門プレジデントのデビッド・レイは、「有線UASシステムは軍隊防衛、国境警備、重要インフラ防御のためにますます価値の高いツールになってきています。アリアの革新的技術とIP資産により、当社は現在の能力を強化し、この成長する市場セグメントの顧客に提供できるソリューションの幅を広げていきます。」と語っている。

 また、アリアの元最高経営責任者(CEO)のLance Vandenbrookは、このように述べている。「当社は、フリアーシステムズへの資産の売却を完了できたことをうれしく思います。当社は、CyPhy Worksとアリアの活動を通じて私たちのチームが開発してきた技術に誇りを感じています。今後何年もの間それが成果を生み出して重要ミッションを支援する最高の機会をフリアーが提供するものと考えています。」