山九は、3月25日にドローンメーカーであるルーチェサーチと山九グループの日本工業検査との三社で、稼働中のプラントにおける飛行ドローンを使用した検査を実施したことを、2020年7月15日発表した。

検査飛行の模様(ドローンは中心左側)

 同検査は日本ゼオン水島工場の配管ラックを、赤外線ガス検知カメラを搭載したドローンを使用して可燃性物質漏洩検知スクリーニング検査をしたという内容で、飛行ドローンによる検査を稼働中のプラントで行った事例は国内初になるという。この検査の成功により、今後はプラント設備の可燃性物質の漏洩といった不具合を、時間を要していた高所においても迅速に検知することが可能となり、処置までの時間を大幅に短縮、ひいては保安・保全の品質向上に繋げることができる(特許出願中)。

 同社は、2018年10月よりドローンサービスプロバイダー事業の検討を開始しており、実務に即した展開を実施・検証している。ドローンによるスクリーニング検査は、高経年化したプラントの状態監視、経過観察を短時間で効率的かつ定期的に実施することができ、設備保全上必要不可欠となる高度な保安が可能となる。また、「スーパー認定事業者(特定認定事業者)※」の認定要件であるIoT、ビッグデータの活用を満たすことも可能となる。

 今後も山九グループは、プラント稼働の安定操業に寄与する事業を展開していく、としている。

※ 新認定事業者制度(経済産業省)https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/hipregas/sp-nintei/

検査機器搭載ドローン

実施詳細

事業名 :日本ゼオン株式会社

実施場所 :水島工場 装置付帯配管ラック

実施内容 :ガス検知性能を確認後の赤外線ガス検知カメラをドローンに搭載し、隔離距離を維持しながら配管ラック、タンク天板等の可燃性ガス漏洩検知スクリーニング飛行を実施。スクリーニング検査として対応可能であることを実証。