炎重工が参加する海床ロボットコンソーシアムは、都市型自動運転船「海床(うみどこ)ロボット」の実証実験を12月15日に大阪城の東外堀において実施した。

 海床ロボットは、2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所の主催する「2025年大阪・関西万博の会場予定地である夢洲における実証実験の提案公募」に2021年5月に採択されている。
 実証実験では、同コンソーシアムが開発する純国産の制御システムを搭載した海床ロボットを、大阪・関西万博の会場である夢洲内の水域に見立てて大阪城公園の東外堀に浮かべ、新しいモビリティの活用可能性を検証した。海床ロボットは、海や運河・河川、湖沼などの水面に浮かべた床(3メートル四方)が自動で動き、離着岸する自動運転船である。

実証実験の様子

 同実証を通じてタブレットのインタフェースで操作した水上自動走行や、高い精度の位置制御による桟橋への自動離着岸を達成。また、デジタルファブリケーションを活用し、用途に応じて船の上屋の変更が可能な仕組みの検証を行った。

 2022年以降の実証では運搬ドローン連動機能、複数ロボットの群管理の検証を目指し、運搬・環境・エンターテイメント・防災など用途に合わせた開発に取り組むとしている。

自動離着岸
水上自動走行の様子

 海床ロボットコンソーシアムは、竹中工務店、東京海洋大学海洋工学部 清水研究室、IHI、炎重工、水辺総研、新木場海床プロジェクト、ウォーター・スマート・レジリエンス研究協会から成る共同プロジェクトである。

 東京・大阪など日本の都市部は水辺(川辺・海辺)を中心に形成されてきた。しかし近年、大都市の臨海部は都市過密化により、交通、物流、環境、防災等の課題が複雑に絡み合っている。こうした課題に対して、人・物の移動を支えるうえで、都市部の低未利用化した水域の活用が重要な糸口になるという。

 海床ロボットコンソーシアムでは同プロジェクトを通じてこれらの社会課題の解決に向けて、都市型自動運転船が都市内水域を動き、水辺のさまざまな都市問題を解決し、水辺を変革していく未来を目指すとしている。

海床ロボットのイメージ