2019年12月12日、エアロネクストは、2020年1月7日(火)から10日(金)に米ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大級の家電技術見本市「CES®2020」において、経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」の一環のCES “Eureka Park” J-Startupパビリオン出展企業に選出され、 Eureka Park®(ユーリカパーク)に出展することを発表した。また、CES 2020開催に先駆けて行われる公式メディアイベント「CES Unveiled Las Vegas」にも参加し、両会場で、エアモビリティの新たなコンセプト『空飛ぶゴンドラ』と、そのコンセプトを具現化した原理試作一号機 Next MOBILITY®を米国で初披露する。

『空飛ぶゴンドラ』のイメージ画像
『空飛ぶゴンドラ』1人乗り1/3サイズモデルNext MOBILITY®

 『空飛ぶゴンドラ』とは、安全性と快適性を両立させて今までにない快適な飛行体験を提供することで、エアモビリティの社会受容性を高め、新たな空域の経済化を加速させるという、エアモビリティの新しいコンセプトである。移動の利便性を主目的とする従来のエアモビリティの概念とは一線を画し、操縦者不要の自動航行で、機体の揺れが最小限に抑えられ、乗降しやすく、複数の人が時間と空間を共有しながら移動できる、まるで観覧車のゴンドラが空に飛び立つような世界をイメージしている。

 CES 2020では、『空飛ぶゴンドラ』を具現化した原理試作一号機 Next MOBILITY®を展示する予定で、これは米国初披露となる。Next MOBILITY®は、回転翼と固定翼を備えたVTOL(垂直離着陸機)で、国内外のアワードやコンテストで優勝し注目を集めるドローンの重心制御技術「4D GRAVITY®」と、新たに開発したVTOLの重心制御技術「ティルトボディ®」を搭載し、従来のエアモビリティの課題の解消、例えば垂直離着陸時の恐怖心の払拭や、離陸から水平飛行への円滑な移行などを実現している。今回発表するNext MOBILITY®は1人乗りの機体だが、今後は複数人が乗り込める機体も発表予定である。同機体が社会実装されれば、世界各国で進みつつある次世代移動サービスシステムMaaS(Mobility as a Service)の「空の移動」において、不可欠な移動手段になると確信しているという。

 CESは、世界最大級の家電技術見本市で、AI・5G・次世代交通・8Kなどの技術革新を背景に、その規模は年々拡大傾向にある。なかでも、エアロネクストが出展する「Eureka Park」は、全世界からスタートアップが集結し最先端技術によって具現化した製品やサービスの展示およびビジネスマッチングの場として注目を集めるエリアである。今回の出展は「世界で戦い、勝てるスタートアップを生み出し、革新的な技術やビジネスモデルで世界に新しい価値を提供する」というコンセプトを掲げた、経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」がサポートするCES “Eureka Park” J-Startupパビリオン出展企業に選出されたことで実現した。

 今回のCES 2020出展は、2019年5月に中国・上海で開催されたCES Asia、2019年9月にドイツ・ベルリンで開催されたIFAに続く、世界規模での家電見本市における本格的なブース出展となる。Eureka Park出展のほかにも、CES開催直前に行われる公式メディアイベント「CES Unveiled Las Vegas」にも参加し、エアロネクストにとって、各国のポテンシャル提携パートナーやメディアと直接会話し、『空飛ぶゴンドラ』やNext MOBILITY®のみならず、エアロネクストの認知度向上ならびに技術力をアピールする貴重な機会になるととらえている。

 エアロネクストは、グローバル市場においても「ドローン前提社会の実現」と「新しい空域の経済化」に向けて引き続き邁進していく、としている。

CES 2020出展概要

・日時 :2020年1月7日(火)~ 1月10日(金)10:00~17:00
・会場 :Tech West Sands Expo Eureka Park(Level 1, Hall G)
・エアロネクストブース :J-Startupパビリオン内(ブースNo.52702)
・URL https://www.ces.tech/

J-Startupパビリオンイメージ

J-Startup事務局プレスリリース
https://www.j-startup.go.jp/news/news_191206.html

CES Unveiled Las Vegas 開催概要

・日時 :2020年1月5日(日)17:00~20:30
・会場 :Shoreline Exhibit Hall, Mandalay Bay Convention Center

資料

1. ドローンの重心制御技術「4D GRAVITY®」の概要

「4D GRAVITY®」は、エアロネクストが独自開発したドローンの重心制御技術の総称。2軸のジンバル構造。

2. VTOLの重心制御の新技術「ティルトボディ®」の概要

「ティルトボディ®」は、エアロネクストが独自開発した、VTOL(Vertical Take-Off and Landing Aircraft:垂直離着陸機)の離着陸と飛行を安定させる重心制御技術の総称。離陸から水平飛行への移行時に、従来機のようにローターだけが傾斜したり、ローター付きの固定翼が傾斜するのではなく、人が乗っているキャビンとは構造的に分離されたボディ(主翼・プロペラ・モーター・アーム)が、キャビンを地面に対して水平に保ったまま、ボディそのものが傾斜することで、飛行姿勢の安定性を保つ機体フレームで、「安全性」と「快適性」の両方が実現できる。

3. 原理試作一号機、一人乗りのNext MOBILITY®の概要

「Next MOBILITY®」は、エアモビリティの新たなコンセプト『空飛ぶゴンドラ』を体現した原理試作。エアロネクストが独自開発した重心制御技術「4D GRAVITY®」と、新たに発表したVTOLの重心制御技術「ティルトボディ®」の両技術を搭載したVTOL(Vertical Take-Off and Landing Aircraft)機で、今回発表するNext MOBILITY®原理試作一号機は、1人乗りの機体の実際の3分の1サイズのモデル。今後複数の人が乗込むことができる機体も発表する予定である。

『空飛ぶゴンドラ』Next MOBILITY®の着陸形態(左)、飛行形態(右)
テストフライトの様子

【特徴】
・パイロットの同乗が必要ない遠隔操縦自動航行の乗り物
・離陸から水平飛行への移行がスムーズで安定
・座席が地面に対して水平に保てるので快適な乗り心地

【利点】
・リラックスして同乗者とのコミュニケーションを楽しめる
・乗降位置が低く、スカートやハイヒールでも乗り込みやすい
・前方左右はガラス張りで、空からの景色を楽しめる
・主翼とプロペラを備えることで、有事の際にも即時墜落を回避できる
・着陸時の衝撃を緩和できる

【スペック】(実際の3分の1サイズのモデル)
・全幅1,380mm × 全長1,400mm × 全高700mm
・重量8,200g
・定員1名
・ドアは2面両開き

CESとは

 CESは1967年から続く、米国ネバダ州ラスベガスで毎年1月開催の世界最大級の家電技術見本市で、CES 2020は53回目となる。CES2019は世界各国から参加者数180,000人、4,500企業、1,200以上のスタートアップが出展。家電だけでなく、ドローンやAIロボット、AR/VR、自動運転、IoTなど多様な領域の最先端技術が集積し、現在ではイノベーションのハブとして注目されている。https://www.ces.tech/