2019年10月25日、テラドローンは、新たな現地法人テラドローンチリを設立したことを発表した。同社は、ドローンを活用し、チリの国営電力会社ENAP Aconcagua(以下 ENAP)が所有するフレアスタックの目視点検を完了させた。

ドローンにより撮影されたフレアスタックの一部(フレアスタックの一部から煙が上がっていないことが確認でき、ここに何らかの異常が認められる)

 同パイロットプロジェクト(試験的なサービス提供)では、ドローンを活用し、高さ約70mのフレアスタック3本の点検をおよそ45分間で完了。従来の有人ヘリコプターによる点検と比較すると、時間的・金銭的に大幅な効率化が実現した。

 ENAPはフレアスタックの一部から黒煙(通常は白煙)が発生しているのを発見し、テラドローンチリに点検を依頼。数週間後には定期修繕を予定しており、同社はこの黒煙が発生している箇所の現状把握を急務としていた。

 テラドローンチリは、この点検にZenmuse Z30(ズームカメラ)とZenmuse X5S(高解像度カメラ)を搭載したドローンを使用。このドローンで様々な角度からフレアスタックを撮影し、亀裂や変形などの欠陥箇所を示した点検レポートを作成した。

 ENAPは、稼働中も最適な施設環境を保つために、従来の3年ごとの点検よりも高頻度に点検することを検討しており、次回の定期修繕までテラドローンチリによる点検の継続を決定している。

ドローンにより撮影されたフレアスタックの一部(右側の警告灯と比較すると、左側の警告灯が変形しているのがわかる)
テラドローンチリが点検した高さ70mのフレアスタック
同プロジェクトにおける点検箇所(赤枠内)