2019年10月8日、エンルートは、農薬散布に最適な最新機能を軽量・コンパクトな機体に搭載し、さらに低燃費も実現した『農薬散布用新型ドローン AC101』(以下、新型ドローンAC101)を、2020年春シーズンより発売することを発表した。これに先駆け、2019年10月9日から開催される「第9回農業Week」において同機を展示する。
昨今、ドローンは農作業に欠かせない存在と言われるまでに普及しつつある。「もっと効率よく散布したい」「部品の取り扱いが面倒だ」「コンパクトな機体が欲しい」「バッテリの取り換えを簡単にしてほしい」など、ドローンに対する利用者の声はより具体的なものになってきている。
同社はそのような声に応え、「最新機能を軽量、コンパクト、低燃費に」をコンセプトに開発し、農薬散布用の新型ドローンAC101として商品化した。2020年春シーズンより発売する。
新型ドローンAC101 は、取り外しを不要にした折りたたみ式プロペラを4基搭載。バッテリ交換効率を向上し、タンクにはスムーズな脱着を実現したレール式構造を取り入れ、作業後のメンテナンスも容易にするなど、機体本体とオプションパーツにおいて大幅な改良を加えた。その結果、10Lの薬剤タンクを搭載する従来の大型機AC1500の機体重量(バッテリ除く)11.9kgに比べ、40%の軽量化と45%の小型化を実現。さらに、1バッテリで最大2.5ha(※1)の散布能力も実現した。(※1:15 km飛行で4L/50aを5回散布)
また、コントローラーも刷新。大きく見やすい7インチモニター付きのコントローラーは「自動離着陸」「直進アシスト」「AB モード」「飛行連動散布」など、オペレーターの操縦を支援する飛行機能も搭載され、飛行ログの設定、確認や操作がスムーズにできる。さらに、アプリは音声による注意や警告も行うため、飛行中の機体から目を離すことなく、機体の状態を確認することが可能になった。
なお、2019年10月9日〜11日に幕張メッセで開催される、国内最大規模の農業・畜産の総合展「第9回農業Week」の次世代農業EXPOエリア(ブース番号29-6)において、今回発表した新型ドローンAC101が展示される。
農薬散布用新型ドローンAC101 主な特徴
1. 新開発大容量インテリジェントバッテリ1本で、農薬4Lを5回、8Lを2回散布可能
2. 自動航行(自動離着陸、直進アシスト、ABモード、飛行連動散布、フリーモード)
3. 音声ガイド付き大画面7インチタッチパネル液晶型送信機
4. 新開発GCSにより散布状況やバッテリ残量などの機体情報をリアルタイムに表示
5. 広角FPVカメラを搭載。前方方向のライブビューを送信機に表示し安全性を強化
6. プロペラとアームを折りたためば軽トラックの荷台にも積載可能(同社従来機[AC1500]比 40%軽量化、45%省スペース化)
7. 高性能プロペラ4基搭載
8. タンクはレール式で脱着も容易な構造を採用
9. 液剤空検知センサにより自動散布中に液剤撒き切り位置をメモリし、補充後にメモリ位置に復帰、継続散布を行う
10. 液剤タンクは、内部を洗浄しやすい広口蓋を採用。折り畳みプロペラ収納時も給液可能
11. 液剤、1kg粒剤、豆つぶ剤の3種類の散布が可能
農薬散布用新型ドローンAC101 主な基本仕様
機体 | ||
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寸法(プロペラなし) | 全幅 902mm×全長 902mm×全高 561mm ※アーム折りたたみ時 全幅 609mm×全長 509mm×全高 561mm | |
重量 | 6.9kg(機体のみ) | |
バッテリ | 大容量インテリジェントLIPOバッテリ | |
最大離陸重量 | 22kg | |
耐風性能 | 8m/s | |
送信機メーカー型式 | エンルート製 AK28 | |
使用周波数帯 | 2.4GHz | |
電波到達距離 | 1,000m |
安全性能 | |
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飛行範囲制限機能 | 飛行距離 400m / 最高高度:30m(ジオフェンス) |
自動着陸機能 | プロポ通信断での自動着陸 |
警告機能 | バッテリ残量規定値以下での警告 |
液剤散布装置 | |
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散布速度 | 15km/h、20km/h |
散布高度 | 2m(作物より) |
散布間隔 | 4m |
散布量 | 8L/ha |
タンク容量 | 10L |
吐出量 | 0.8L - 1.4L/min |
※同仕様は2019年9月現在のもの。型番・仕様等は予告なく変更する場合がある。