2026年6月3日から5日にかけて、千葉県・幕張メッセで開催された「Japan Drone 2026」に、福島県の福島ロボットテストフィールドを開発拠点とする国産ドローンメーカー、イームズロボティクスが出展した。
同社ブースでは、無人で荷物の受け渡しが可能な置き配式の「ドローンステーション(ドローンポート)」や、クラウド経由で複数機を遠隔監視・運航する「クラウドGCS(Ground Control Station)」を展示。さらに、防災用途を想定した災害対応ドローン「Rescue-K」も公開し、物流・防災分野に向けた同社の開発戦略を紹介した。
無人で荷物を受け渡す「ドローンステーション」、ラストワンマイルの実用化を目指す
同社が開発を進めるドローンステーションは、高さ約2.5mの大型のドローンポートだ。上部には着陸用ヘリパッドを備え、荷物を吊り下げたドローンが着陸すると、ヘリパッド中央の開口部が自動で開き、荷物を内部へ投入する仕組みとなっている。投入された荷物はステーション内部で自動的に仕分けられ、利用者は事前に通知された暗証番号を入力することで、下部のロック付きの受け取り口から荷物を受け取ることができる。これは、配送員を介さずに荷物の受け渡しを完結し、置き配のセキュリティ面にも有効な手段となるなど、ドローン配送の無人化を支えるインフラとして期待されている。
同システムは、すでに福島ロボットテストフィールドで実証実験が実施されており、イームズロボティクスによると、2026年から2027年にかけて製品化を目指しているという。設置場所としては、過疎地域や離島だけでなく、駅や公民館など日常生活の動線上も想定しており、ドローン物流におけるラストワンマイル配送の実現を視野に入れている。
ガイドライン改定を追い風に、1人で5機以上を運航可能なクラウドGCS
あわせて展示された複数機同時運航システム「クラウドGCS」は、クラウドを活用して遠隔地から複数のドローンを一元管理・運航できる地上管制システムだ。
ブラウザー上からPCやタブレットで利用でき、各ドローンが送信する映像、機体位置、飛行ミッションなどの安全飛行に関わる重要な情報を机上で確認できる。運航中は任意の機体を選択して個別に操作できるほか、飛行中の複数機へ同時に共通の指示を送る機能も備えており、障害物回避など緊急時の対応にも活用できるという。現場に操縦者を配置する必要がなくなるため、運航要員の削減や現場負担の軽減、運用コストの削減につながる点も特徴としている。
この展示は、多数機同時運航を巡る制度改正の動きとも重なる。国土交通省は2026年6月、「無人航空機の多数機同時運航を安全に行うためのガイドライン」を改定し、それまでレベル3およびレベル3.5飛行で設けられていた「操縦者1人当たり5機まで」という運航上限を撤廃した。イームズロボティクスによると、クラウドGCSはこの制度改正を見据えた設計となっており、1人で5機を超えるドローンの運航にも対応できるとしている。
さらに、防災用途として災害対応ドローン「Rescue-K」も展示した。同機は、第二種型式認証を取得した物流ドローン「E6150TC」をベースに開発されており、機体下部には救援物資を投下する専用ユニット、上部には呼びかけを行うスピーカーを搭載。被災地への物資輸送に加え、被災者や遭難者への音声による呼びかけなど、災害現場での初動支援を想定した機体となっている。
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