ドローン業界の有識者や先進企業が集まるリアルイベント「ドローンジャーナルコンファレンス&エキスポ 2026 秋」が2026年9月25日、東京都千代田区の御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで開催され、800人を超える来場者が会場を訪れた。
インプレスが運営するドローン専門メディア「ドローンジャーナル」が主催する同イベントは、ドローンを活用する事業者と、機体・サービス・ソリューションを提供する企業が直接情報交換できる場を設け、産業分野でのドローン活用を促進することを目的としている。これまでの講演を中心とした構成に、今回は新たにブース展示を加え、全14講演と23社の展示ブースを展開した。
講演と実機展示で、現場の課題と最新技術をつなぐ
今回のテーマは、測量・点検から施工管理、運搬、警備まで、建設・インフラ分野などが抱える現場課題に対するドローンやロボティクスの活用である。会場では制度や技術動向を紹介する講演と、機体やソリューションを実際に確認できるブース展示を組み合わせた。
開会にあたり、ドローンジャーナルの河野大助編集長は、ドローンの自動化や画像解析など、現場が抱える具体的な課題に応えられる企業を集めたと説明。講演を聞くだけでなく、展示ブースで出展者と直接情報交換するよう来場者に呼びかけた。
基調講演には、国土交通省 航空局 安全部 無人航空機安全課の伊藤貴氏が登壇。「無人航空機に係る制度運用の状況と最近の動向並びに空飛ぶクルマの現状」と題し、機体認証や操縦者技能証明、多数機同時運航など、ドローンを取り巻く制度の最新動向を解説した。また、日本建築ドローン協会 副会長の宮内博之氏は「建築物調査におけるドローン技術の高度化とフィジカルAI・ロボットへの展開」と題して講演。建築物調査におけるドローン活用が実証から実務利用へと進むなか、撮影・計測だけでなく、壁面への接触を伴う調査や複数機の協調制御、フィジカルAIを活用したロボットとの連携など、今後の技術展開を紹介した。
ソリューション講演では、Liberawareの閔弘圭社長が、管路内で飛行位置を把握できる小型点検ドローン「IBIS2 Chainage」を紹介。イームズロボティクスの曽谷英司社長は、物流用大型ドローンや防衛用途を含め、産業用ドローンを取り巻く市場と技術の動向について説明した。
展示エリアにも、実際の現場利用を意識した機体やサービスが並んだ。ジャパン・インフラ・ウェイマークは、屋内や非GPS環境、狭隘部での点検を想定した最新型のドローンである米Skydio製「Skydio R10」を展示。ERI Roboticsは、カンツールと共同開発した下水道・排水管向け管路点検ドローン「Small Doctor Argo」を初めて公開した。このほか、水素燃料電池を利用したドローンや、フィジカルAIをテーマとするロボットなども展示され、各ブースでは来場者が担当者と話し込む姿が随所で見られた。
「具体的な課題」を持って訪れる来場者、出展企業も手応え
今回の特徴の一つが、出展企業と来場者の距離の近さだ。ERI Roboticsの藤本高史社長は、「建設分野のドローン利用では、これまでは『どんなことができるのか』という質問が多かったが、今回はすでにドローンを使っている方も多く、より具体的な問題解決の方法を聞かれることが多かった。建設分野でのドローン活用の成熟を感じた」と振り返る。
屋内ドローンショーを手がけるROBOZも今回が初出展となった。同社の石田宏樹社長は、「出展者の中でエンターテインメント分野は当社だけということもあり、多くの方にブースへ立ち寄っていただいた。中にはすぐにビジネスにつながりそうな話もあった」と、出展の手応えを語った。
一般的な大規模展示会とは異なり、特定分野の課題を持つ来場者と出展企業が直接話せることも、今回のイベントで重視したポイントである。同イベントはドローンジャーナルのデータベースを中心に案内しており、その多くはドローンへの関心が高く、すでに精通している人も多い。その結果、互いに確度の高いマッチングの場となった。
来場者からも「出展者との距離が近い」「必要以上の情報を得られた」
来場者アンケートでも、運営満足度を10点満点中7点以上とした回答が72.4%、出展者とのコミュニケーションのしやすさを7点以上とした回答が69.9%となった。
自由記述では、「ある程度小規模の展示会だったので、各社ブースの担当者と懇談できる時間が持てたのがよかった」「必要としていた情報以上のものが得られた」「出展者(講演者)との距離が近い」といった声が寄せられた。また、大規模な展示会では関連分野の出展が広がることで目的とする情報を探しにくい場合があるのに対し、「本イベントでは対象が絞られていて良かった」と、展示内容を一定のテーマに絞った構成を評価する意見もあった。
情報交換会の参加者は、「ドローンの現在の流れや状況をつかむことができ、有意義だった」と話した。商業ビルなどの保守管理を手がける企業の代表は、「ドローンをどのように業務に使えば効率的なのか日々考えている。さまざまな立場の方の話や製品を見ることができ、大変参考になった」と述べた。
2027年秋も開催予定、出展・協賛企業を募集
ドローンジャーナルでは、2027年秋にも同様のリアルイベントを開催する予定だ。次回も単に製品を並べる展示会ではなく、ドローンやロボティクスの導入を検討する企業、すでに業務で活用し具体的な課題を持つ事業者と、ソリューションを提供する企業が直接話せる場を目指す。
ドローン・ロボティクス関連の機体、ソフトウェア、解析サービス、点検・測量・施工管理、物流、警備など、産業分野向けの製品・サービスを展開する企業を対象に、次回開催に向けた出展・協賛に関する問い合わせを受け付けている。
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