近年、国産防衛ドローンの量産参入を表明し、ウクライナの迎撃ドローン開発企業の買収など、防衛分野で存在感を高めているテラドローン。一方、CSPI-EXPO 2026のブースでは、同社が従来から展開してきた産業向け測量ソリューションや屋内点検向けドローンを中心に展示した。
公共測量に対応したUAV搭載LiDAR「Terra LiDAR 4」
DJI社の産業用ドローン「Matrice 400」とともに展示されていたのが、自社開発のUAV搭載型LiDAR「Terra LiDAR 4」だ。
従来、高精度なドローン搭載LiDARは数千万円規模の導入コストが必要になるケースもあったが、Terra LiDAR 4は約300万円という価格帯で提供される。それでいて、最大200万点/秒の照射性能や最大リターン数16に対応し、低価格帯の製品ながら高い測量性能を備えるとしている。公共測量にも対応しており、DJI社の「Matrice 300 RTK」「Matrice 350 RTK」などへの搭載も想定している。
Terra LiDAR 4の特徴の一つが、公共測量に対応したワークフローだ。公共測量では、精度管理を含む複数の帳票を作成・提出する必要がある。他社製品ではこれらの帳票作成に対応していないケースもあるが、Terra LiDAR 4は取得したデータから必要な帳票を出力できる機能を備えている。
また、ドローンレーザー測量では、取得した点群データの解析が導入のハードルになることも少なくない。テラドローンではクラウドサービス「Terra Cloud」を通じて解析を代行しており、取得した生データをアップロードすると、同社の解析チームが点群処理を行い成果物として納品する。
測量業務ではデータ取得から解析までを内製化することが理想だが、同社によると解析スキルの習得には半年から1年程度を要するという。そのため、Terra Cloudを活用しながら人材育成を進める運用も選択肢の一つとなる。
地上測量を担うSLAMスキャナーも展示
ブースでは、ハンディタイプのSLAMスキャナーも展示された。
「Terra SLAM RTK」は、回転式LiDARによって周囲を計測するハンディスキャナーで、照射距離120m、毎秒32万点の点群取得に対応する。点群精度は±5cmとしている。
一方、「Terra SLAM TRINITY」は、SLAMに加えてGNSS受信機能を搭載したモデルだ。スタティック測位やネットワーク型RTK(VRS)による測位に対応するほか、公共測量向け帳票の出力や3D Gaussian Splatting(3DGS)にも対応している。
同社では、空中計測を担うTerra LiDAR 4と地上計測を担うTerra SLAMシリーズを組み合わせた運用を提案している。例えば森林測量では、ドローンによって広範囲を計測した後、植生が密集した場所や複雑な地形など、上空から十分な点群が取得できない箇所をハンディSLAMで補完することで、より高精度な3D点群データの生成を目指す。
狭小空間向け点検ドローン「Terra Xross 1」
ブースでは、下水道や橋梁内部などの狭小・閉鎖空間向け点検ドローン「Terra Xross 1」も展示された。
機体全体を球状ガードで覆った設計となっており、人が立ち入りにくい橋梁内部やタンク、下水道などでの点検を想定している。高輝度LEDライトを搭載し、暗所でも飛行できるほか、LiDARによるマッピングと前方カメラを組み合わせた自己位置推定によって、GNSSが利用できない環境でも安定飛行を実現するという。
Terra Xross 1はすでに電力会社への納入実績があるほか、北海道では内径2.5mの下水道管内で実証にも活用されている。インフラ点検分野での導入を進めているという。
