2026年7月7日、セコムとグループ会社のパスコが参画する「中部ダムDX研究会」は、ダム巡視・点検の高度化に関する検証成果を論文にまとめ、「河川技術シンポジウム」で口頭発表を行うとともに論文集に収録されたと発表した。

検証を実施した小里川ダム
写真:「セコムドローンXX」
ダムの巡視・点検に使用した「セコムドローンXX」

 今回の発表は、国土交通省中部地方整備局 庄内川河川事務所が管理する小里川(おりがわ)ダムを検証フィールドとした自律飛行ドローンによる試験飛行結果に基づくものである。ダム管理における巡視点検の高度化・効率化を目的として、ドローンの自律飛行、高精度センシング、AI解析、クラウドデータ管理などを基盤技術に社会実装に向けた有効性・妥当性の検証を行った。

 災害の激甚化・頻発化やインフラの老朽化、技術者不足が深刻化する中、重要インフラであるダムの継続的かつ適切な管理が喫緊の課題となっている。従来の巡視船や目視による点検手法は、安全性や効率性に課題があり、省人化・高度化が求められていた。

 こうした背景から、名古屋大学、岐阜大学、愛知工業大学、国土交通省中部地方整備局 庄内川河川事務所、パブリックサービス、セコム、パスコの産官学が連携し、2025年11月に中部ダム管理DX研究会を設立した。同研究会では「ダム管理DX」をテーマに、自律飛行ドローンや高精度センシング、AI解析、クラウドデータ管理などの基盤技術を用いたダム管理業務の高度化、安全化、持続化について検証を進めている。

 今回の検証では、自律飛行、遠隔監視、ドローンポートとの連携による自動離着陸機能を備えた、セコム開発の自律飛行ドローン「セコムドローンXX」を使用。取得データの解析・評価、三次元データ処理、運用モデル設計についてはパスコが担当した。

 試験飛行では、のり面正対撮影による広範囲かつ効率的な状況把握や、自律飛行の安定性、取得データの実務への活用可能性といった基盤技術の有効性を確認した。

 同研究会は今後、飛行から撮影、データ蓄積、解析を一体化した巡視自動化の実現を目指すとともに、三次元解析やAIによる変状検知技術の高度化を進める方針だ。また、小里川ダムでの検証成果をもとに「小里川モデル」の確立を図り、ダム管理DXの標準モデルとして全国展開を目指す。

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