写真:CSPの展示コーナーの様子
さまざまなドローン関係機器が展示されたCSPの展示コーナー

 警備大手のセントラル警備保障(CSP)は、10月に東京ビッグサイトで開かれた「テロ対策特殊装備展(SEECAT)’24」に出展、警備や防災などで使用されるドローンや関連装置などを展示した。同社は警備活動に積極的にドローンを利用している。

ハイエースに機材を常設してドローンの基地化!現場運用の効率向上へ

 展示されたのは、ドローン運用の移動地上基地の役割を果たす「ドローン・ベースカー」や対象物をAIで解析できるドローンなど。

写真:ドローン・ベースカーの外観(ワンボックスカー)
CSPが展示した「ドローン・ベースカー」
写真:後部ハッチを開け、さまざまな機器を搭載したスライドフロアが引き出されている様子。その上の空間には簡易的なサイネージを設置している。
CSPの「ドローン・ベースカー」。充電設備のほか各種通信装置などドローン運用に必要な機器と、サイネージなど警備用機器も一緒に運べる。

 「ドローン・ベースカー」は市販のワゴン車を改造。給電機能を持ち、中にはモニターなどが設置されている。警備などの現場に出向いて、ドローンから送られてくる映像で監視を行える。ドローンへの充電機能があるほか、衛星通信やサイネージなど必要に応じた装備を搭載できる。すでに2023年のG7広島サミットでテスト運用され、2025年からは同社で本格運用が開始される予定だ。

写真:映る人物を認識する赤外線映像
「CSP EVOテザー」から伝送された映像画面。AIによって「車」「人間」などの他、「煙」「火災」なども識別できる。

 「CSP EVOテザー」は対象物をAIで解析可能な有線型ドローン。約30メートルの上空に滞空してサーマルカメラなどで地上を監視。AIによって写った対象物が人間か、車両かなど判別してモニターに表示できる。有線型で飛行のための電気を地上から供給できるため、長時間の飛行が可能だ。

写真:ライティングドローンの下面。4本のアームの間にLEDライトが突き出している。
ライティングドローン「G5L」の下面。白い部分がLEDライトで、30メートル上空から現場を照らす。

 また、同じく「G5L」と呼ばれるライティング(照明)ドローンも展示。「G5L」も有線型ドローンだが、機体下部にLEDライトを装備。災害などの現場上空に滞空して夜間の現場を照らし続ける。プロポではなくリモコンで上下するため、専門のドローン・オペレーターは不要。2023年2月に起こったトルコ・シリア地震の現場活動で使われた実績もあるという。

 さらに、不正に接近してくるドローンへの対抗装置としてイスラエル製の「Enforce Air2」というシステムも展示。このシステムは、まず電波の種類からドローンが接近を許可されているどうかを確認。不正と判断した場合、ドローンのソフトを上書きする形で操縦する権利を奪い、そのまま安全な場所に着陸させる。物を発射させてドローンを破壊するタイプのドローン防御装置に比べて地上への危険は最小限になるという。

 CSPの展示担当者は「ドローン・ベースカーやドローンを、イベントや災害の現場など多くの人が集まる現場に出動させて、警備の効率化を図りたい」と話していた。

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