アマチュア無線局とは、個人的な興味や自己訓練、通信、技術研究のために特定の周波数帯を使用して無線通信を行う設備である。
この無線通信は、金銭的な利益を目的とせず、趣味や学習のために行われる必要がある。そのため、業務目的で利用することはできない。
アマチュア無線局の運用にはアマチュア無線技士の資格と無線局の免許が必要であり、ドローンにおいてはFPV(First Person View)飛行を行う際に必要となることが多い。
ドローンにおけるアマチュア無線局の用途:FPV飛行とは
ドローンにおけるアマチュア無線局の主な用途であるFPV飛行は、ドローンに搭載されたカメラからの映像をリアルタイムで受信し、操縦者は装備したゴーグルによりドローンから見た視点で操縦を行う飛行方法だ。
この方式は特にドローンレースや空撮、点検などの分野で利用されることが多い。なお、FPV飛行は目視外飛行に該当する。
一般的なドローン飛行とFPV飛行は、撮影素材の活用方法のほか、操縦感覚が異なる。
FPV飛行は、操縦者に直接的な飛行感覚を提供し、より精密な操縦が求められる。これに対して、通常の飛行は比較的直感的で、初心者にも扱いやすい傾向にある。
なお、アマチュア無線は業務利用ができないため、FPVドローンでの飛行も同様に、あくまで個人的な使用に限られる点に注意すること。
アマチュア無線でFPVドローンを利用する場合の注意事項
アマチュア無線局をドローンで使用する際には、5GHz帯の周波数が利用されることが多いが、5GHz帯域は周波数の割当計画上、二次業務に割り当てられている。そのため、他の一次業務の無線局の運用に妨害を与えないように注意しなければならない。
特に、5.7GHz帯では無人移動体画像伝送システムが用いられており、5.8GHz帯は高速道路のETCシステムや駐車場管理システムなどの使用に割り当てられているため、これらの帯域での使用には十分に配慮しなければ大規模な事故につながる恐れがある。
アマチュア無線局をドローンで使用する場合、技術基準適合証明や工事設計認証を受けた適合表示無線設備を使用しなければならない。これは、無線通信の安全性を確保し、他の無線通信への干渉を防ぐための措置だ。
FPVドローンをアマチュア無線で利用する際には、以下の点に注意が必要である。
・資格と免許の要件
操縦者はアマチュア無線技士の資格を持っている必要があり、使用する無線設備は総務大臣の免許を受けたものでなければならない。
・周波数の遵守
使用する周波数は、アマチュア無線のバンドプランに従い、他の無線サービスとの干渉を避ける必要がある。特に5GHz帯を使用する場合は、他の一次業務の無線局に妨害を与えないよう注意が必要だ。
・コールサインの送信
FPVドローンを飛行させる際は、10分ごとを標準にコールサインを送信することが求められる。これは、無線通信の透明性を保ち、誰がその周波数を使用しているかを明確にするためだ。
・安全な運用
FPVドローンの運用は、ドローンの飛行に関する法律(航空法や小型無人機等飛行禁止法)を遵守するとともに、安全を最優先に考慮しなければならない。
