ドローンにおける電波とは、ドローンを操縦するための無線通信に使用される電磁波のことを言う。
そして、電波はプロポの操作をドローンに送信し、ドローンからの映像や各種データを操縦者に送信するために不可欠な役割を果たしている。
ドローンの飛行制御、データの送受信、映像の伝送など、ドローンの運用に関するほとんどすべての通信は、電波を介して行われている。
ドローンにおける主な周波数帯
ドローンで使用される主な周波数帯は、2.4GHz帯と5.7GHz帯だ。
2.4GHz帯は、一般的なWi-FiやBluetoothなどでも使用されており、比較的混雑しているため干渉を受けやすいという特徴がある。
一方、5.7GHz帯は、干渉を受けにくく、高速な通信が可能だが、障害物に弱いという特性がある。
周波数帯の特性
電波の周波数帯によって、情報を伝える範囲や電波の伝わり方、情報量が異なる。
電波の周波数帯が大きいほど、情報を伝える範囲は狭くなり、電波の伝わり方は直進的になりやすい。また、周波数帯が大きいほど、より多くの情報を伝送可能だ。
一方、電波の周波数帯が小さいほど、情報を伝える範囲は広くなり、電波は障害物を回り込むように伝わる。ただし、伝送できる情報量は減少しやすい。
そのため、ドローンを使って何を行うかに応じて適切な周波数帯を選択しなければならない。
電波法による規制
電波の利用に関しては、電波法によって規制されている。
電波法では、ドローン操縦者に免許の取得を義務付けている。
ただし、発射する電波が極めて微弱な無線局や、一定の技術的条件に適合する無線設備を使用する小電力の無線局については、無線局の免許または登録が不要だ。
一般的に販売されているドローンは2.4GHz帯を使用するものが多く、無線局の免許取得は不要。一方、5.7GHz帯を利用するには、個人利用の場合はアマチュア無線技士(4級以上)、業務利用では陸上特殊無線技士(3級以上)の免許取得が必要となる。
電波障害への対策
ドローンの運用時には、電波障害によるトラブルが発生する可能性がある。
電波障害は、他の無線機器からの干渉や、建物などの障害物による電波の遮断によって引き起こされることも多い。
これらの影響によりドローンの操縦が困難になったり、通信が途絶えたりしやすいため、操縦者は電波障害のリスクを理解し、適切な対策を講じる必要がある。