2026年8月27日、東京電力ホールディングスは、福島第一原子力発電所3号機の原子炉格納容器(以下、PCV)内部のマイクロドローンによる気中部調査結果および今後の調査計画を発表した。

 3号機は事故後以降、PCV水位が高い状態が続いたため、使用可能なアクセスルートが小径のX-53ペネトレーション(以下、ペネ)(Φ約140mm)に限られていた。大径ルートの構築には時間を要するため、現状でも実施可能な超小型のマイクロドローンを活用したPCV内部調査を行った。

調査概要

 X-53ペネに取り付けられたシールボックスからマイクロドローンをPCV内に投入し、11日間で21回のフライトを実施。シールボックス内には合計6機のドローンが格納されており、同時に2機のドローンをPCV内にインストールできる。

調査装置(マイクロドローン、シールボックス)について
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 複数の視点から撮影した画像から対象の3D情報を復元するSfM技術を活用し、取得した映像より点群データ化を生成。さらに視覚的に見やすくするため、映像をそのまま3D化したような特徴を持つ3Dガウシアン・スプラッティング(3DGS)技術を生成した点群データに適用した。

  • ペデスタル(※1)
    撮影できていない南東側や構造物の陰となる場所以外の点群化を実施。特に入念に撮影したX-6ペネ周辺について鮮明なデータを取得した。
  • ペデスタル内
    CRD(制御棒駆動機構)ハウジング群の陰となる場所以外の点群化を実施。プラットフォーム高さの構造物・堆積物だけでなく、RPV(原子炉圧力容器)底部へと続くCRDハウジング群の空間についても点群化した。

 今回取得した点群データは、今後の内部調査の計画検討や燃料デブリ取り出し工法検討に活用する。

※1 原子炉圧力容器を設置する鉄筋コンクリート製の土台。

映像からの点群化について

 生成した点群データを用いて各寸法を評価した結果、RPV底部とみられる構造物の位置や厚みが図面と概ね一致した。RPV底部の空間は楕円形で最大直径は約3mであると推定。最高飛行高さがペデスタル底部から約9.4mに達したことから、一時的にRPV内を飛行したと考えられる。

点群データの考察(RPV底部周辺)

 点群データの検証作業において、ペデスタル内壁の床面から高さ約3mの位置に約10×5cm程度の欠けを確認した。撮影範囲内に他の欠けはなく、ペデスタルの健全性に与える影響は小さいと分析している。

 線量率推定については、放射線がカメラの撮像素子に当たると白点のノイズが生じる現象を利用し、映像中のノイズの量を計測することで線量率を推定した。

  • ペデスタル外
    推定値は約0.5~6.0Gy/hで東側が最も高い。東側の線量率が高い理由については検討中(PCV内包水の流れに起因する放射性物質の移行やMS系配管の影響と想定)。
  • ペデスタル内
    推定値は約1.5〜7.5Gy/hでRPV底部付近の線量率が最も高い。堆積物や付着物に接近すると線量率が上昇することから、それらが有意な線源となっていると推測している。
線量率推定について
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 今後、燃料デブリ取り出し工法検討において重要な情報である堆積物の分布や流出状況を把握するため、D/W(ドライウェル)地下階の調査を計画している。2026年3月時点でD/W地下階は水没していたが、その後の水位低下作業により底部まで水位が下がり、地下階が気中に露出した。これを受け、通信機能を改良したマイクロドローンによる「3号機PCV内部 気中部調査(マイクロドローン調査2回目)」を、早ければ2026年度内に実施する目標を掲げている。

今後の3号機PCV内部調査
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