2026年7月28日、Liberaware(以下、リベラウェア)は、東海旅客鉄道(以下、JR東海)が小型点検ドローン「IBIS2」を試行し、高所や狭所における点検作業の代替による労働災害リスクの低減と、3Dデータ化による部署間の迅速な情報共有を実現したと発表した。
JR東海関西支社では、橋梁やトンネルなどの構造物を2年に1度点検している。補修が必要と判断された箇所は、補修作業の計画策定、補修サイクルの管理、補修工事の発注・監督業務を行っている。
同支社では、こうした鉄道インフラの維持管理において、3Dデータや点群データ、地理情報データの活用に加え、センサーやドローンの試行に取り組んでいる。
鉄道インフラには施設が複合的に組み合わされているものがあり、高架橋の下に駅舎施設が設置されている場合など、高架橋の梁や床板などを点検する際は、駅施設の天井裏空間で構造物を調査する必要がある。また、高さ5mを超える天井裏では、転倒や墜落の労働災害につながるリスクがある。人が立ち入れない狭い空間もあり、レーザースキャナーでは設備の裏側に届かず、構造物の損傷を見落とす可能性があった。
同支社では、こうした天井裏空間における高架橋点検において、低コストかつ突発的な事象にも対応できるよう、社員が操縦訓練を受けているIBIS2を採用。合わせて、CalTaのデジタルツインプラットフォーム「TRANCITY」を導入することで、映像から点群データ取得して画像から変状の寸法を確認できるなど、点検結果を可視化する環境を整えた。
主な成果
- 労災リスクの低減と費用削減
危険な高所作業や無理な姿勢での狭所作業、足場設営コストを削減。また、見えない箇所の画像を近接して撮影することで、ひび割れの規模やさびの進行具合などを計測できるようになった。 - 部署間での円滑な情報共有
IBIS2で取得した動画からTRANCITYで3Dデータを生成することで、点検位置の共有が可能。配管やケーブル、空調設備などの位置関係を三次元空間の中で確認できる。 - ミリメートル単位の経時変化監視
過去データをTRANCITYで解析して同じ構造物に対して3Dデータを取得し、データを比較することで構造物の変化を監視可能。
将来的には、列車走行時の高架橋のたわみ量測定や、そのためのジオフェンスを設定した営業中の運用、打音検査、雨漏り箇所の特定・応急処置をドローンで行うなどのアイデアが現場から上がっている。
