写真:飛行する空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」

 2026年6月24日、SkyDriveは、開発中の空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の実用速度域となる時速100kmでの前進飛行試験を実施し、機体の安定性、制御性、操縦性、推進システム、飛行制御システムおよび搭載機器が想定通りに機能することを確認したと発表した。

 今回取得した飛行試験データにより、設計・解析段階で予測した飛行特性と実機挙動の整合性を確認し、型式証明取得および2028年の商用化に向けた開発が前進した。

 高速飛行時は空気力や振動、構造への負荷、飛行制御システムの応答などが複雑に変化するため、航空機開発では設計段階で予測した結果と実機飛行の結果が一致するか検証する必要がある。

 SkyDriveの空飛ぶクルマは、都市部での利用を前提にコンパクトな機体構成を採用。離着陸場所の選択肢を広げるだけでなく、機体構造や運用をシンプルにすることで、将来的な運航コストの低減や整備性の向上を目指している。同社のマルチローター型の機体は従来の固定翼機やヘリコプターとは異なるため、既存航空機の知見や飛行データをそのまま活用できず、実機飛行によるデータ取得と検証が重要になる。


 今回の飛行試験では、機体の安定性、制御性能、構造健全性および各システムの作動状況を確認し、設計・解析段階で想定した飛行特性と実機挙動が整合することを確認した。また、12基の電動ローターとフライトコントロールシステムによる飛行制御が、高速前進飛行においても安定して機能することを確認した。

 この試験結果は、SkyDriveが実施してきた飛行試験、シミュレーション、風洞試験、地上試験、各種システム試験により蓄積してきた機体の飛行特性に関する知見とデータに基づき得た成果となる。

【これまでの検証・試験】

  • 実機データの蓄積
    プロトタイプ「SD-03」から続く開発経験と、これまで積み重ねた数百回の実機飛行データの解析。
  • 多角的な先行検証
    推進システム(EPS)の単体試験、宇宙航空研究開発機構(JAXA)での風洞試験、および地上振動試験(GVT)の実施。
  • 段階的な制御チューニング
    低速・中速域の飛行試験で得られたリアルタイムのデータをもとに、エンジニアとパイロットによる、各飛行フェーズでの慎重な飛行継続可否(Go/No-Go)の判断の徹底。
写真:JAXAでの風洞試験の様子、空飛ぶクルマ検証の様子


 現在、世界の空飛ぶクルマ開発は、「飛行できることを示す段階」から、「実用速度域での安定飛行」「認証取得に向けたデータ蓄積」「商用運航を見据えた実装検証」の段階へと移行している。

 SkyDriveは今回の飛行試験から、実用速度域での安定飛行と、設計・解析で予測した飛行特性を実機で確認した。この知見とデータを活用し、型式証明取得および2028年の商用化に向けた開発を前進させていく方針だ。