2026年6月22日、パーソルビジネスプロセスデザインは、広島県神石郡神石高原町から受託した「ドローンが飛び交うまち 官民協働神石高原町活性化プロジェクト」を完遂したと発表した。プロジェクトでは、大型物流ドローンの運用・有害鳥獣対策など複数のユースケースにおいて、地域内事業者および地域住民がドローンを活用してさまざまな地域課題の解決に取り組むための仕組みを構築し、今後の町単独での自走化に向けた基盤整備を行った。

写真:飛行するドローン
写真:ドローンを調整する様子
プロジェクトの様子

 神石高原町は、2019年にパーソルビジネスプロセスデザインおよびドローン関連企業・団体とともに「神石高原町ドローンコンソーシアム」を設置し、災害対応の高度化や地域課題の解決などを進めてきた。特に地域住民による「地産地防(※1)」の確立に注力し、災害時にドローンを操縦し災害状況の早期把握を担う地域パイロットの育成や、運用フロー・マニュアルの整備を通じた運用基盤の構築に取り組んできた。

 こうした取り組みを通じて、町内でドローン事業が立ち上がるなど、地域におけるドローンの事業化という具体的な成果も生まれている。2025年度に実施したプロジェクトでは、これまでの基盤をさらに発展させ、町内で導入した大型物流ドローンの実用化と平時のユースケースの拡充に取り組んだ。

※1 地域で起こった災害に対して地域で対応する能力を持つことやその力を高めていくこと。

各事業概要

 今回のプロジェクトでは、ドローン活用の自走化と将来を見据えた取り組みの推進を目的に、「大型ドローン物流事業」「有害鳥獣対策事業」「次世代育成事業」の3つを実施した。これらの事業はいずれも、神石高原町においてドローンを地域の力で自立的かつ継続的に実用していくための基盤形成につながるものとなる。

  • 大型ドローン物流事業
     高齢化やインフラの希薄化が進む地域において、災害時の孤立対応を想定し、町内で完結する物流網の確立を目指した。地域の担い手や事業者に講習を実施した上で、地域内事業者による運航管理を含む一連のオペレーションのもと、災害備蓄倉庫から神石高原町役場本庁に至るルートで実証実験を実施。地域自走型の運用体制の実現可能性を示した。
  • 有害鳥獣対策事業
     猟友会と連携し、ドローンを活用した捕獲手法の実証を実施した。これにより地域課題解決に向けたドローン活用の可能性を検証するとともに、平時におけるユースケースの拡充と地域へのドローン定着の加速を図った。平時の活用機会の拡充は、有事における迅速な運用にも直結することから、地域課題に即した平時と有事を問わないフェーズフリーの運用体制構築に向け基盤を整備した。
  • 次世代育成事業
     神石高原町内の中学校1年生を対象にドローン特別授業を開催した。地域内事業者が実際に技術を活用する姿を見せ、町の地産地防事業の取り組みを紹介したほか、「ドローンで町の未来をどう変えるか」をテーマにグループワークを実施した。
飛行ルート
実証実験における大型ドローンの飛行ルート(災害備蓄倉庫~神石高原町役場本庁)
写真:ブリーフィングの様子
事業関係者の現地ブリーフィング

 この事業では長期間にわたり、町におけるドローン利活用の定着と継続的な運用体制の構築を目的に取り組みを行った。3つの事業を通じて地域の担い手へのトレーニング・運航基準の作成支援を行い、地域内事業者主体で実証実験等を実施。平時・有事のフェーズフリーのドローン活用を、地域内事業者・町の住民の手で実施できる状況を構築した。また、ドローン利用を町で事業化したことで、子どもたちに町の産業の変化・新技術の取り組みを紹介する機会を創出するなど、地域で継続的な実用が定着する基盤を確立した。