NTT e-Drone Technology(以下、NTTイードローン)は、愛知県がアフリカ豚熱防疫体制整備の一環として実施した野生イノシシの死体捜索演習に参画し、セルラードローン「Skydio X10」を活用した広域捜索の有効性を検証した。

 この演習は、愛知県がアフリカ豚熱の発生を想定して行った実地演習であり、山林内の迅速な死骸捜索体制を強化する目的で実施したものとなる。

写真:可視光カメラ、サーマルカメラで上空から撮影したイノシシ

 アフリカ豚熱は豚や野生イノシシに感染する高致死率の家畜伝染病であり、現在国内では確認されていないが、ヨーロッパから東アジアにかけて感染が拡大している。2025年10月に台湾で初の感染、2025年11月にはスペインでも約30年ぶりに感染が確認された。この伝染病が海外から侵入した場合、養豚業に甚大な被害を及ぼすおそれがあるため、野生イノシシの死骸をいち早く発見・回収することが極めて重要とされている。

 一方、徒歩による山林の広域捜索には時間や労力がかかり、安全面にも課題があることから、上空から効率的に実施できるドローン活用の可能性を検討した。

実施概要

実施場所あいち海上の森センター、海上の森(愛知県瀬戸市)
日時2026年2月18日(水)
参加者農林水産省、東海農政局、愛知県、瀬戸市、瀬戸有害鳥獣駆除の会、品野猟友会、NTT e-Drone Technology、エヌ・ティ・ティ エムイー(計25人)
使用機体Skydio X10
温度差を可視化できるサーマルカメラを搭載し、暗所や森林環境でも安定飛行が可能。
写真:Skydio X10
Skydio X10

検証内容

 実際の感染発生を想定し、山林内に設置したイノシシの模擬死骸(模型)をドローンで捜索した。

  • 広域エリアの自動飛行による上空撮影
  • サーマル映像を活用し、重点捜索エリアの再捜索
  • 発見地点の緯度・経度の記録と報告フローの確認
写真:演習の様子
演習の様子

演習結果

 今回の演習により、ドローンを活用した上空からのスクリーニングが、一定の条件下において死骸捜索の効率化に寄与することを確認した。特に、サーマルカメラの活用により、通常カメラでは発見が難しい対象を検知できる可能性が示された。また、広域を短時間で俯瞰できるため、地上捜索班の動線最適化を支援する手段として有効であることを確認した。

写真:サーマルカメラによるイノシシ模擬死骸の撮影動画
イノシシの模擬死骸の撮影動画

 NTTイードローンは、防疫分野を含む鳥獣害対策において、ドローンによる広域調査・捜索・個体確認や出没状況の把握、撃退・忌避対策、地域と連携した運用支援などを包括的に展開している。今後も、感染症対策における捜索活動から平時の鳥獣害忌避対策まで、自治体や地域社会と連携しながら、ドローンを活用した総合的なソリューションを提供し、地域の安全確保や農業の持続性向上に貢献するとしている。

写真:飛行するドローンと操縦者