2026年2月25日、テックファームは、福井県とドローン活用に関する社会課題の解決実証のためのアドバイザリーに関する協定を締結したと発表した。この協定に基づき「自治体業務における現場確認のDX化」に向けた実証実験を、2026年2月2日より開始している。
この事業では、獣害対策や防災対応などの現場確認業務をドローンで補完し、必要なタイミングでの状況把握や有事の広域把握を可能にする運用モデルの確立を目指す。この実証を通じて運用フローやシステム要件の整理・標準化を進め、将来的には「福井モデル」を全国の自治体へ展開する方針だ。
自治体では、鳥獣害確認や災害時の状況把握、インフラ点検など、現場に依存する業務が多く、特に山間部や沿岸部、河川部では、人の立ち入りが困難な急傾斜地・危険箇所の点検、獣害被害が多発する未明・夜間の巡視や実態把握、現場への移動時間を要する初期判断時の情報収集が課題となっている。
こうした課題に対し、ソフトウェアと据置型ドローン(ドローンポート)を活用し、自治体向け運用モデルを構築する。福井県ではドローンを活用した地域課題の解決を掲げており、急峻な斜面や広域な管理エリアといった地理的特性に対応した今回の実証実験は、社会実装に向けた重要なステップに位置づけられる。
実証実験の概要
| 実施期間 | 2026年2月2日~3月31日 |
| 実施主体 | 福井県、越前町、テックファーム |
| 想定領域 | ・獣害対策(イノシシ、シカ、クマ等) ・防犯対策(不審者監視) ・防災対策(被災状況確認) ・管理対策(公共施設・エリア内保全確認) |
| 活用技術 | 据置型ドローン(ドローンポート DJI Dock 3)、DJI Matrice 4TD、クラウド型運航管理システム |
| アドバイザー | プロジェクトマネジメント、技術を含む7人(一等・二等無人航空機操縦士を含む) |
【検証項目】
- 据置型ドローンによる定期監視・緊急時確認の有効性
- 人的対応前にドローンで状況把握を行うことによる安全性・判断精度の向上
- 複数業務(獣害・施設管理・防災・防犯)を横断した自治体業務への適用可能性
- 遠隔操作における最適な運用フローおよびシステム要件の策定
この取り組みでは、機材導入だけでなく、必要に応じてドローン連携ソフトウェアを専用開発するなど、現場課題に即した運用改善や機能拡張を継続的に実施する。例えば、既存の管理システムに対しては、現場の実務に即したUIやUXを設計・定義する。デジタルツールに不慣れな職員やシニア層でも直感的に扱えるシステム仕様を策定することで、特定の個人のスキルに依存しない持続可能な運用体制の構築を支援する。
テックファームは、この実証で得た成果や運用ノウハウを汎用的なソリューションとして体系化し、2026年度以降をめどに全国自治体へと展開する方針だ。
